10月23日、本学ア式蹴球部は武蔵大学との試合に3―1で勝利し、36年ぶりの1部昇格を決めた。
試合当日、会場にはOBらも昇格の瞬間を見届けようと応援に集まった。引き分け以上で昇格決定という高まる期待とは裏腹に、主将の中野圭祐さん(社4)は「まずは目の前の試合に勝とう、としか思っていなかった」と話す。試合開始12分で先制されたが、前半で1点返し追いつくと、後半に2点を決めて武蔵大学を突き放し、試合終了と共に歓喜の瞬間を迎えた。「3点目で勝利の確信をもったが、はやる気持ちをなんとか抑えた」と学生監督の大口柾文さん(社4)。試合直後はまず安堵感に包まれ、その後徐々に喜びが湧くと同時に、昇格を逃すわけにはいかないという重責からの解放を感じたという。マネージャーの山崎光さん(社4)も「1、3年の時は昇格争いに絡んだが惜しくも逃し、2年の時は残留争い。ようやく昇格できた達成感があった」と話した。
1部昇格を達成したア式の強さはどこにあるのか。「4年生が自由にチームを創りあげる伝統がある」、「自分たちですべてを考え、それを実践していく」。大口さんと中野さんはそれぞれこう評した。監督が全てを統制するのではなく、4年生を中心にそれぞれ自分の得意分野をどうチームの中で活かすかを考える。そしてそれを実行するなかでチームの方向性が決まっていく。山崎さんも「マネージャーもただ仕事をするのではなく、勝利やチームの目標達成を常に考えて積極的に行動している」と、主体的な取り組みを強調する。個人が自由に考え、自分の役目を果たすという組織の在り方がチームの躍進を導いた。
一つ上のステージで戦うことになる来シーズンについて、大口さんは「後輩たちは自分たちよりサッカーが上手だと思う。これまで通り自由に考えてやりたいようにやれば大丈夫」と期待を語った。