11月23・24日に、一橋大学世界プロレスリング同盟(HWWA)の興行『天使にアジャ・コングを』が行われた。今回は天候に恵まれず、23日昼の部は中止、同日夜の部は試合開始が30分以上遅れ、プログラムも変更された。6月のKODAIRA祭興行に続き、目玉である二冠統一選手権試合は中止となった。


 23日夜の部のメインイベントは4年生の引退試合。ピル・ロビンソン(武蔵野美大4)、中森ヴァギナ(武蔵野美大4)、シルガデター・スマタローン(早大4)による、一橋生不在の3WAYマッチだ。序盤は体格で劣る中森が男子2人を相手にリードする展開。ロビンソン、スマタローンは意地を見せるべく協力して中森にボディスラムを浴びせるが、技を決めるとすぐに仲違い。中森はそのスキを見てDDTを連発。2人を蹴散らしにかかる。その後も鍛えにくい足首を狙い、中森が前半戦の主導権を握る。しかし男子2人も、負けじと技の応酬を繰り広げ、後半にかけて存在感を見せつける。ブレーンバスターやラリアット、複数の投げ技が飛び交い、会場のボルテージもアップ。雨の中死闘を繰り広げるその姿は、まさに水も滴るいい男と言ったところか。そして迎えたクライマックス、スマタローンは変形ドラゴンスリーパーでロビンソンをKO、二冠統一王者にふさわしい有終の美を飾った。

 

 恒例のOBマッチは昼夜ともに盛り上がった。篠突く雨の中行われた23日夜の部では、電波投げ、フライングクロスチョップ、ダイビングヘッドバットなどバラエティに富む技の数々を披露したブランコ・オギーソ(一橋大卒)が大活躍。最後は山本スーザンボイル広吉(武蔵野美大卒)に「安全第一」の必殺技・パンツドライバーを決め、みごと勝利をおさめた。

 


 天候が回復した24日昼の部は、一橋OBと武蔵野美大OBによるタッグマッチとなった。巨漢覆面レスラー・5代目タイガーマスク(武蔵野美大卒)が見た目に反した華麗なステップを見せ、かつてのHWWA王者・キッタオ光司(一橋大卒)が吉川晃司のモノマネと北尾光司さながらの蹴り技で沸かせるなど、前日以上の盛り上がりを見せた。ブランコ・オギーソはこの一戦でも山本スーザンボイル広吉にパンツドライバーを決め、一橋OBタッグが勝利。オギーソがアラフィフの貫禄を存分に見せつけた2日間となった。

 

 

 カオスさでOBマッチに引けを取らなかったのが、24日昼の部の第1試合・わくわく動物王ロイヤルランブルだ。22日の東京大学駒場祭興行が雨で流れたため、初の一橋開催となったこの企画。人間とキリンに始まり、ウシやツル、果てはティラノサウルスなど様々な動物がリングに次々乱入し、最後の一匹となるまで戦った。シマウマとウマのコンビが捕食者であるライオンに16文キックを食らわせて退場させるなど食物連鎖の逆転も見られ、予想以上の激戦に。最後はビルドアップしたツルが、序盤自らを助けた人間に対し、恩を仇で返すジャンピングニーを決めて2019動物王の座に輝いた。