第54回一橋祭が、11月24日から26日の、3日間の日程で開催される。コロナ禍を乗り越え、4年ぶりに全面的に対面で開催される一橋祭。本紙は開催を前に、一橋祭運営委員会の菅野元太委員長(経3)と、今年の注目企画を担当する石田慈温さん(商2)にインタビューを行った。委員会としてのこれまでの活動や、今年の一橋祭のアピールポイント、注目企画の内容などについて、詳しく話を伺った。
今年度、委員会の委員数は、過去最多の114人となった。その一人一人を束ねる存在である菅野さんは、委員会での活動にあたって、誰よりも自分が一番熱量を注ぐよう心掛けてきたという。具体的な活動としては、学園祭運営のノウハウを共有するため、高校同期などの個人的なつながりも駆使し、他大学の学園祭運営委員との交流を大切にしてきた。さらに、谷保天満宮例大祭などの国立市内のイベントへの協力も行ってきたという。菅野さんは、その理由として「一橋生はくにたちに支えられている存在。僕たちは学生にそのことを伝えるとともに、くにたちに恩返しをしなければならない」と語った。
今年で54回目を迎える一橋祭だが、ここ3年は新型コロナウイルス感染症の影響で、オンライン開催(22年は対面と組み合わせたハイブリッド開催)とするなど、実施形態の大幅な見直しを迫られた。会場での飲食物の販売が行われるのは、コロナ禍前以来のことで、現在所属している委員は皆、初めて全面的な対面開催に臨むこととなる。したがって、模擬店の管理などのノウハウが受け継がれておらず、苦労する点も多いという。しかし「コロナで失われたものを取り戻し、さらにコロナ禍前にできなかったことにも取り組みたい」と菅野さんは意気込む。これまでとの違いとしては例えば、初めて本学に来た方にもわかりやすいように、標識の配置やパンフレットの内容などを、ゼロベースから考え直したという。
このように、細部にまで工夫を凝らした今年の一橋祭。しかし当然、祭のメインの一つである委員会企画自体にも力を入れている。企画の検討にあたって、各々の委員が自分にしかできないと思える企画案を持ち寄ったのだという。その中でも、今年の注目は「崎山蒼志スペシャルライブin一橋祭」だ。近年、若者を中心に人気を集めているシンガー・ソングライターの崎山蒼志さんを兼松講堂に迎え、話題曲「燈」などの弾き語りをしてもらうという。企画担当の石田さんは、崎山さんに声をかけた経緯として、多くの人が興味を持つような方を呼ぶことで、学外の方にも来場してもらい、本学にある数々のユニークな団体の存在を知ってもらうきっかけとしたかったのだと話してくれた。また、現在まだ21歳である崎山さんに、若くて力あふれる演奏をしてもらうことで、コロナ禍で沈んでいた多くの人の心に、光を与えたいとの希望も込めたという。こうした思いに基づいた同企画の観覧には、チケットの購入が必要だ。詳しくは、一橋祭公式WEB(https://ikkyosai.com/visitor/54/topics/guest/)を確認してほしい。
取材の最後に、2人に一橋祭当日に向けての意気込みを聞いた。「自分たちの気持ちを乗せてやりたいことを求め、僕らにしか作れないものを作る。こうした思いを委員会が他の団体にも浸透させることで、言葉にならない思いを、祭を通して伝えられるように頑張る」(菅野さん)「人に来てもらう、楽しんでもらう、新しいものを知ってもらう、満足してもらう。一橋祭がこれらすべてのきっかけとなるように、頑張っていきたい」(石田さん)。様々な思いが込められた一橋祭が、まもなく始まろうとしている。