白鳥計画から国立が守られた。一橋祭2日目に開催されたHWWA・一橋大学世界プロレスリング同盟の秋シリーズ「スターダスト・ジーニアス英和辞典」中夜祭興行。メインイベントのヘビー級タイトルマッチで、白鳥ブリーフを揺らしながら「国立をもとにして白鳥が幸せに暮らせる街をつくる」と宣言した挑戦者・H前戯リョーマ(慶大3)を、王者・潮崎マジックミラー号(公共院1)が封じ、見事防衛に成功した。
序盤、魔法の笛で集まった白鳥7羽からブレインバスターを浴びるなど、苦戦を強いられる王者。それでも、市民の期待を一身に背負った潮崎は立ち上がりつづけ、フィッシャーマンズスープレックスやファルコンアローで応戦する。21分13秒、互いに意識を朦朧とさせながらの死闘の末、ショートレンジラリアットで挑戦者をなぎ倒した。
試合後の談話で潮崎は「国立が大好きだから、ここは自分が立ち上がらなければいけないと考えていた」。一橋生レスラーの不足で団体の存続が危ぶまれていることについて、「HWWAは40年もの間、市民に愛されてきた団体です。少しでも面白いと思ってくれれば、まずは門を叩いてほしい」と語った。
兼松の女神現る?
潮崎は記者団に対し、試合中の不思議な体験を明かした。試合開始直後、挑戦者に奇襲を仕掛けられ、フォールを取られた。3カウント寸前に、兼松講堂の女神が現れ、試合開始まで時間が巻き戻されたという。取材していた本紙記者5名や観客は一連の出来事を記憶しておらず、真偽のほどは不明。潮崎は「普段ちゃんと単位を取っていることが幸いしたのかも」と笑顔でインタビュールームをあとにした。
第1試合はシコリェ(東大3)・中森ヴァギナ(武蔵美1)対シルガデター・スマタローン(早大1)・クリンドル玲奈(津田塾2)のタッグマッチ。序盤、シルガデターの極楽固めに新人中森は痛い素振りすら見せず、実況からお叱りを受ける。一方の玲奈は、リング上で性欲を満たそうとセクハラを続けるシコリェに精神を削られ、鮮やかな蒼魔刀をシルガデターに誤爆してしまう。最後までタッグを乱さなかったシコリェ・中森が、連続金的でシルガデターを不能にし、勝利を収めた。
第3試合は、エレファントナカダシ(経2)・ミラ・ショジョビッチ(東京造形2)対MOCOみちのく(武蔵美2)・疎開サキ(東京造形2)。選手紹介の際、MOCOがエレナカに奇襲を仕掛け、そのままゴング。普段は仲良くお茶しているという女子大生同士が、豪快にギロチンドロップやネックブリーカーを飛ばしあう姿に観客は目を奪われる。終始キレのいい動きを見せたサキは、ラリアットでMOCOを沈めたところでエレナカにタッチ。最後は、ホーム一橋でいいところを見せたいエレナカに花を持たせた。
第2試合は、一橋対武蔵美OB12人タッグマッチ。一橋からブランコ・オギーソ、ALSOK吉田、朝挿入ら、武蔵美からペロペロ親方、五代目タイガーマスク、石田翔三(チンカス・ハーン)ら往年の名選手が出場。打ち合わせ不足は深刻で、様子を見つつ小ネタを繰り出す展開で始まるが、次第に試合勘を取り戻したOBレスラーたちは、現役にも劣らぬ技を披露する。ついにはペロペロ親方がペロペロドライバーオールトゥギャザーを浴びせ全員死んでしまう。しかし一橋タッグは母校の意地で闘いぬき、最後はオギーソが伝説の大技・パンツドライバーで安全に配慮しつつ石田をマットに沈めた。