KODAIRA祭二日目。 今日は一橋プロ研の興行を見に来た。
バイトがあるせいでたったの三試合ぐらいしか見れないけどまあいいや。朝は生憎の雨模様で果たして今日の興行は開催できるのかと思っていたが、リングの設営が遅れるにとどまった。二日目の興行は予定より30分遅らせて始まることに。
第0試合は部員全員でリングを直接叩き、リング上の選手を動かして試合を展開する紙相撲デスマッチ。
対戦カードはプロ研マネージャーの中森vsプロ研OB山本スーザンボイル広吉。広吉に圧倒的に体格で劣る中森であったが、そこは紙相撲。運良くロープに絡まった広吉を突き飛ばす格好となり、中森があっさり試合を決めてしまった。開始一分で終了。「なんだこれ」。僕の隣に座っていたおっさんが呟いた。一体この催しは何なのだろう。この世は分からないことだらけだ。普段どれだけ高尚な哲学的議論に取り組んでいても、実務的な商学、経済学を真剣に学んでいても、人間世界を秩序立てる法学を日々追求しようとも人間の「知」には限界がある。僕は眼前に広がる超現実的光景に、自分の知性の限界を感じずにはいられなかった。
紙相撲によって会場の雰囲気も温まり(?)迎えた第一試合。対戦カードは一橋大学医学部一年のシル・マラカラデマスvs東京造形大学の女性レスラー、ミラ・ショジョビッチ。いや、よくないだろ。完全にアウトだろ。学部とか別に突っ込まなくてもいいかもだけど前者はまっすぐど真ん中ストレートって感じだし後者は名前の中で二律背反おこしてんじゃねーか。お前どっちなのかそこんとこはっきりさせろよ。重要事項だぞ。
男女対決ということで体格差を考慮してミラには拳銃(銃刀法に抵触しないやつ)が与えられた。ミラは拳銃を利用して巧みにピンチを乗り切る。カウントを取られそうになってはシルや審判のエレファントナカダシ(通称、エレナカorエレダシ)に拳銃を突き付け、カウントをかいくぐる。そして遂には、試合の流れの中で発砲!打ち抜かれたエレダシ(orエレナカ)は形見のペンダントをシルに託した。エレダシ(orエレナカ)の気持ちまで背負って戦うシル!!そしてまたもやミラの発砲!!!シルもまた拳銃の餌食に……と思ったがペンダントが彼を銃弾から救ったのであった!!!!
歓声に沸く会場!!!!!でもなんだかんだで試合は結局ミラが普通に技を決めて勝った。
続く第二試合はタッグマッチ。五代目タイガーマスク、山本スーザンボイル広吉、シルガデター・スマタローンvsブランコ・オギーソ、キャベツ太郎、ゼリーファンク(この辺ちゃんと聞こえなかったから間違ってるかもです)。。。。。もういいや。ここら辺で僕は考えることを止めた。キャラ飽和を起こしているこのリング上の光景をただ楽しもう。もう何をしても驚かないよ。齢40にもなってリングから降りてないノリノリのブランコ・オギーソとかあのN経済新聞社勤務らしいけど新聞部部員の一人として日本の新聞の未来とかいっちょまえに憂いだりなんかしない。
試合が始まると、オギーソやタイガーマスクは躍動し始めた。飛び跳ね、チョップし、走り、守る。社会的に立派な地位に登りつめたおっさんが人前で臆面もなく半裸を晒して縦横無尽に動いてる。これはある種の奇跡じゃないだろうか。こんなに頭のおかしい(失礼)人々が一堂に会する機会なんて(どんどん祭りが縮小方向にあるこの一橋じゃ特に)そうそうあるもんじゃないよ。「面白い。面白いよ!一橋大学プロレス研究会!!!」と感情が最高潮に達した頃、試合終了のゴングが鳴った。五代目タイガーマスクチーム、勝利。
僕は放心しながら、バイトへ向かうために会場を後にした。凄いものを見た。いや、「見てしまった」という方が正しいのか。
なんだかよく分からないけれど、次の一橋祭の興行まで生きていようと思った。
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