6月10日、KODAIRA祭2日目に、「大学対抗クイズ王決定戦」が体育館ステージで行われた。「ハイレベルな『知』と『知』のぶつかり合い」をコンセプトとした陣取りクイズで、2014年から毎年行われている。今回は、東京大・一橋大・早稲田大・東京工業大のクイズ研究会が出場した。
本企画はクイズ番組「パネルクイズ アタック25」のルールを採用している。
本戦では、1問目で早稲田大が得た陣地を、東京大が2問目からの連続正解で挟み取り、他の3チームを突き放した。それに対し、東工大は「フィギュアスケートで、演技を終えた選手が」→「キス・アンド・クライ」、早稲田大は「今年2月に国民栄誉賞を、羽生善治」→「井山裕太」での競り勝ち、一橋大は「毎年春に、富山湾で起こるものが有名な」→「蜃気楼」などの連続正解などによって陣地をゆっくりと広げ、東京大に対抗した。
しかし、東京大は自らの優位を崩さず、アタックチャンスでも「やるなやるなと禁止され」→「カリギュラ効果」を正解して、他チームに隙を与えなかった。次いで、自らがアタックチャンスで消した陣地の回収にも成功。勝利を決定的なものとした。
その後、3チームにも見事な正解があったが、結果は東京大の優勝。2位が早稲田大、3位に東工大が入り、開催校の一橋大は4位に沈んだ。
東京大チームとして参加した林輝幸さん(東京大3)は、今回の優勝の理由を「アタックチャンスで消した陣地を回収して、そこから流れを持って行けた」と振り返った。今後の対抗戦に向けての対策について聞くと、林さんは「もっと難しくなる可能性もあるので、それに向けて日々の勉強をしていきたい」と謙虚に語った。
今回がクイズ研究会に入会してから初めての大会であったという一橋大チームの牧野潤也さん(経1)は、今回の4位という結果に対し「強い方々からいい刺激が受けられてよかった」と話すとともに、来年の対抗戦に向けて、「どんどん経験を重ねて、開催校として盛り上げられるように頑張りたい」と、意気込んだ。
クイズ経験者の記者が選ぶ この正解がすごい!
〇東京大 「爪の長い仙女の名前が変化して……」→「孫の手」
・問題文から麻姑(仙女の名)を連想。練習の厳しさが伺える。
〇早稲田大 「知能指数を表す……」→「インテリジェンス・クォシェント」
・知能指数からIQを一瞬で想起した発想力に拍手。
〇東工大 「現在は3.0が運用中であり、ビッグデータスパコンとして……」→「TSUBAME」
・TSUBAMEは東工大にあるスパコン。普段の観察力の高さが垣間見える。
〇一橋大 「これにより、道路上の雲が形成されることもある、流体力学において、異なる密度の流 体層が、お互いに異なる速度で水平運動するときに……」→「ケルビン・ヘルムホルツ不安定性」
・理系の難問。東京大も東工大も間違えた問題を見事正解。
〈パネルクイズ アタック25〉のルール
4チームの回答者が青・白・緑・赤に分かれ、早押しクイズに挑戦する。正解したチームは5×5の陣地から1枚を選んで自分のチームの陣地とすることができる。1問目では真ん中、それ以降では、すでに色のついている陣地と、縦・横・斜めのいずれかで隣り合った陣地をオセロゲームの要領で獲得することができる。
また、色がついていない陣地が残り5つになると、司会により「アタックチャンス」が宣告される。このアタックチャンス時点で出題された問題に正解したチームは、通常の陣地の獲得に加え、相手陣地を1枚選び、どのチームも獲得していないことにできる。こうして、最終的に最も多く陣地を獲得したチームが優勝となる。