今年度、コピーカードの支給において学部の必修ゼミと選択ゼミ、大学院の休学者が対象から外され、学部は後期ゼミナール及び1年次の各クラスに、院は在学生のみに支給されることになった。院の再配布制度も廃止される。院生へは削減決定の旨が各研究科の事務から3月後半に伝えられた。

 削減を提案した教務課は本紙の取材に対し、「助成対象であるゼミ形式科目の増加に伴い、学部間で助成の差異が生じたため」と理由を説明。また、ペーパーレス化が進み、以前ほど印刷の必要性はないという教員からの指摘もあったという。

 初めて削減の提案がなされたのは3月3日の学士課程教育専門委員会で、学部は後期ゼミナールのみ、院は在学生のみに支給する案が出された。8日の会議で学部は1年次のクラスにも支給する修正案が出され、承認された。

 同委員会の教員が教務課に対して「削減は予算が理由か」と尋ねたところ、「予算の問題ではなく、配布作業により業務負担が増しているため」と回答したという。

 会議内では「学生の意見を聞かずに削減すべきではない」 という意見も出た。しかしコピーカードは授業料に含まれないという解釈もあり、「学生の意見を聞く必要はない」と、会議内で却下された。

 学部協議会会長の飯塚遥祐さん(法3)は「削減に関して連絡はなかった。大学は事前確認や説明をすべき」、院生自治会理事長の小島雅史さん(博社1)は「コピーカードに限らず院生生活に関わる案件については確認、連絡、説明があるべき」、とコメント。教務課によれば教員へは教授会を通じて説明済みだというが、まだ教授会で説明されていない学部もある。

 本件を受け、ある教員は「副学長会合を定期的にやっていればその時に聞けたはず」と話す。副学長会合とは、副学長(教育・学生担当)と学部協議会(旧学部自治会)、院生自治会が、毎月1回行っていた意見交換の場だ。現在は定期開催されていない。

 コピーカードの支給がなくなろうともこれまでよりコピー代がかさむだけかもしれない。しかし、学生の意見を聞かずに物事が進むことに危機感を持つべきではないだろうか。