標語

今年度に入ってから、図書館内で貴重品を狙った盗難が多発している。今年度に被害申告があったのは13件で、うち9件は期末試験で利用者が増える7月に発生。夏季休業期間に入ってからも3件発生しており、盗難被害は後を絶たない(8月17日現在)。

盗難は本館・大閲覧室・雑誌棟といった図書館の全域で発生し、読書用のデスクを狙ったものが多い。トイレなどで席を立った隙に盗まれるケースがほとんどで、財布だけが荷物から抜かれることもあれば荷物ごと盗まれることもあった。

ここ数年の間、盗難の報告がほとんどなかったこともあり、図書館側は今年度の状況を「緊急事態」であると捉え、様々な対応をとっている。張り紙や館内放送を通して利用者に自衛を呼びかけ、職員による館内巡回も強化。また、各閲覧席の上に、職員が考案した五・七・五の防犯標語を設置した。「かねがない  さっきはあったが  いまはない」といったユニークなものもあり、利用者に危機意識を持ってもらうのが狙いだ。

「自衛に勝る対策はありません」。学術・図書部長兼学術情報課長の鈴木宏子さんはこう話す。席を立った一瞬の隙を突いた犯行が多いことから、席を離れる際は貴重品を携帯する、荷物は通路側に置かない、などといった対策が重要だ。