本学は「社会科学の発展を考える円卓会議」を設置した。超高齢社会の到来や科学技術の急速な発展などに伴う社会的諸問題の解決には社会科学の研究と人材育成の強化が不可欠とし、日本の社会科学を発展させる方策の構想を目的としている。
会議では、蓼沼宏一学長と、産業界・官界・学界の有識者13人の委員が議論を交わす。委員には国立研究開発法人産業技術総合研究所理事長の中鉢良治氏、前慶應義塾長の清家篤氏や文部科学大臣補佐官の鈴木寛氏などが名を連ねる。また、海外からは、社会科学系大学として世界をリードするロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル・サイエンス、パリ政治学院、シンガポール経営大学の各学長も委員に加わっている。

5月11日の第1回会議では「人材育成」をテーマに議論が行われた。グローバル化と科学技術の高度化が進む現代において、社会から求められる人材とは何か、人材育成のために大学と社会が担うべき役割とは何かといった点について、産官学を代表する委員より多くの有益な意見が出された。

蓼沼学長は本紙の取材に対し「各界の委員からそれぞれの知見や経験に基づき、多様な意見をいただけるものと期待している。議論した内容は、日本の社会科学の発展のため広く社会に発信するとともに、本学としても研究・教育の更なる改善に向けて参考にしていきたい」と書面でコメントを寄せた。