東京都国立市にて、引き渡しが翌月に迫るマンションの解体が決まった。完成間近のマンションの解体の決定は、異例のことだ。
解体が決まったのは、国立市中二丁目に位置する「グランドメゾン国立富士見通り」。事業者である大手住宅メーカーの積水ハウスは6月4日、事業の中止とマンションの解体を市に届け出た。翌7月には受け渡しが始まる予定であったマンションだけに、この時期の取り壊し決定は、大きな衝撃を持って受け止められた。
解体の理由として同社は、「景観上の問題」と発表している。マンションが建つ国立富士見通りは、富士山の絶景が望めることで有名な地。関東・富士見百景にも選ばれている。この富士山の眺望の一部が、当該マンションによって隠れてしまったことが、今回の問題点とされている。積水ハウスは、マンションによって景観を損ねてしまうことへの悪影響を考慮し、取り壊しに至ったと説明する。
国立での異例の事態は、全国各地のニュースで取り上げられ、「マンションの解体は適切かどうか」を巡り、ネット上でも賛否両論が巻き起こった。