一橋生専用時間割アプリ「バシコマ」 新入生をターゲットに普及目指す

 昨年11月、一橋生専用の時間割アプリ「バシコマ」がリリースされた。本学に特化した時間割アプリの登場は初となり、大きな注目を集めている。そこで、開発者の一人、竹内昭広さん(商3)に、学生ならではの視点を活かした機能や設計、そして今後について、話を伺った。

 アプリの特徴として最も大きいのは、「シラバス」と「コミュニティ」である。「シラバス」では、CELS上では別々にしか見られなかった授業の詳細と成績分布表を一度に確認可能だ。また、気になる授業をブックマークに登録することができる。さらにレビュー機能があり、授業の評判を5段階評価で見られるため、履修登録に大いに役立つ。「コミュニティ」とは、友達登録したユーザーの時間割を見ることができる機能で、友人と時間割を共有する面倒な手間が省ける。「リンクス」という機能の中では、CELSやmanabaをはじめとする、大学が運営するサイトや、ハイッタなどの学内メディアに飛ぶことができる。

「バシコマ」のロゴマーク(写真右)とシラバス検索画面。
アプリでは、CELS上でシラバス検索をするよりも詳細な条件で絞り込みができる。

 さらに、安全性や信頼性にも配慮している。アプリには、直接manabaやCELSにログインできるようにするために、学籍番号とパスワードを保存するシステムがあるが、これらは使用する端末に保存されるだけで、情報漏洩の恐れはない。また、レビュー機能についても、1人の学生に対してアカウントを1つに限定する仕組みを採用することで、信頼性を担保している。

 アプリを中心になって制作したのは、竹内さん、築地里桜さん(法3)、佐藤里緒さん(社3)の3人だ。3人は、学内団体の一つであるコンピューター研究会で知り合い、なにか1つアプリを作ろうという話の中で「せっかくなら一橋生に向けて」と、時間割アプリの開発に乗り出した。業界では「エンジニアの作るUI (ユーザーインターフェース)*はダサい。プログラムとデザインは分けたほうがいい。」といわれることが多いため、竹内さんと築地さんはエンジニア、佐藤さんはデザイナーと、明確に役割を分けて開発にあたった。1か月ほどで最低限の機能を完成させ、数人の友人に試してもらうなどして精度を向上させてきた。昨年11月にリリースに持ち込んで以降も、バグの修正やプログラムコードの改善を続けている。活動のやりがいについて、竹内さんは「エラーが出るとつらいが、原因を見つけ、直すことができるとやっぱり楽しい」と話す。今後は、開発メンバーの卒業後を見越し、アプリを管理できる後進の育成や、コンピューター研究会による組織的な運営を目指すという。

 アプリはさらに拡充される予定で、学内団体が運営するwebサイト のURLをさらに多く張り付けたり、「コミュニティ」を充実させて、SNSのような使い方をできるようにしたりすることも視野に入れている。また、広告に関しては「基本は入れない方針ですが、入れるとしてもあまり邪魔だと思わないところに」としている。

 現在の利用者数は500人ほど。新入生をメインターゲットにしており、8割の新入生が利用することを目標に掲げる。竹内さんは最後に「私たちの時間割アプリが、みなさんの大学生活の助けになればうれしいです。アプリはまだ未完成であり、学生のみんなで作り上げていきたい。そのために、意見や要望があれば積極的に教えてほしい」と話してくれた。

*携帯アプリについては、アプリのデザインのことを指す

アプリ製作の中心となったコンピューター研究会の3人。左から、佐藤里緒さん(社3)、竹内昭広さん(商3)、築地里桜さん(法3)。