知るカフェ一橋店 オープン1周年  ~交流会、来客、無料ドリンクの秘密、おいしい情報いっぱい話します~

 本学東キャンパスの隣に位置する大学生向けカフェ「知るカフェ一橋大学前店」が7月、オープン1周年を迎えた。店長の大場麻衣さん(商2)と前店長の岩田留里花さん(法3)に話を聞き、来客事情や企業との交流会 、スタッフのエピソードに至るまで、一橋大学前店(一橋店)のリアルに迫った。

 

 

店内の様子。入り口は雑居ビルの2階にある

 「知るカフェ」は、学生証を提示した大学生・院生に無料でドリンクを提供し、低価格のフードメニューも用意している。ドリンクは90分ごとにおかわりも可能だ。

 それらに加えて大きな特徴の一つが、小さなテーブルを少人数で囲みながら、1時間大企業の社員と話ができる交流会。一橋店ではオープンから1年間で、およそ30社が交流会を行った。就活を間近に控えた3年生のみを対象にしたものだけでなく、全学年向けのものも多く存在する。

 交流会は事前予約制で、早ければ申し込み開始から1日で定員に到達する。とりわけ一橋生に人気があるのは、意外にも食品業界。文系学生の理系主体の企業における役割を、詳しく知りたい学生が多いのだという。また、外国での事業を中心とする企業の交流会は全学年を通して人気が高い。人事部の社員のみならず、他の部署で活躍する本学の卒業生が来ることもある。

 実際に参加した三井住友信託銀行の交流会では、くだけた雰囲気の60分間で、通常の企業説明会ではあまり聞くことのできない情報を多く得ることができた。

 前半に金融業界の構造や信託銀行の業務の幅広さを人事担当者が説明し、後半の30分弱は質疑応答。社員と距離が近く、職場の人間関係や転勤に関すること、担当社員の大学時代に至るまで気軽になんでも質問できる。ただし一つの質問に対して内容を非常に膨らませて回答してくれるので、参加者が多い場合は全員が聞きたいことを満足に聞けるわけではない場合もある。

 就活を意識して交流会への参加を考える学生に対し、岩田さんは「就活に際して、何となく志望を決めてしまっているなら、それ以外の業界の交流会にも参加して、より深く知って考えてほしい」と述べ、複数の交流会に参加することを推奨した。

 開店から1年、SNSなどを通じた広報活動が実り、現在は連日盛況。各学期にそれぞれ10人程度のペースでリピーターも増えているという。

 節目を迎えた今だからこそ、これからの一橋店をより良いものにしていく取り組みを欠かさない。無料提供のドリンクがその一例だ。6月からは紅茶の提供方法をティーカップから茶葉入りポットに変え、風味がより引き立つようにした。お湯の淹れ方にまでこだわるスタッフもいるという。この夏店長になったばかりだという大場さんは、これからの一橋店について「知るカフェの後発店の見本になれるよう努めたい。スタッフには、主体性をもってこれからの店舗のビジョンについて考えてほしい」と述べた。


 

 一橋店は来客のうち常連が2割程度で、初めて来る学生にも入りやすい雰囲気だ。水・金曜日の3〜4限は比較的空いており、初めて来店する場合にはおすすめだという。

 利用目的によっても最適な来店時間は異なっており、学習目的で利用するなら勉強場所として使っている常連客の多い夜、友人と数人で来るには比較的にぎやかな昼間が良いそうだ。岩田さんは「実家が国立にある他大の学生が勉強に来ることもある。サークルの友達や、インカレ先の他大生と来るのも良いし、もちろん一人でも気軽に来てほしい」と話した。

取材に応じる岩田さん(手前)と大場さん

 さらに大場さんは「一橋店は特にケーキが人気で、月ごとに種類も変わるので食べたことのない方はぜひご賞味ください。個性あふれるデコレーションもします」とPRした。

 大企業の社員との対話を通して就活に関する情報が手に入るだけでなく、大学の隣にある普段使いのカフェとしても気軽に利用できる知るカフェ。この店を使いこなすことが、できる一橋生への第一歩なのかもしれない。