今年1月、一橋大学古本募金が始まった。書籍、DVD、CD、ゲームソフトを提携会社の株式会社VALUE BOOKSに送ると、買取金額が一橋大学基金に寄付される制度だ。金銭の寄付以外で大学を支援する新たな取り組みとして、活用が期待されている。
寄付には二つの方法がある。一つ目はウェブか電話で申し込んで宅配業者に回収してもらうというもので、合計5冊から送料が無料になる。
もう一つは回収箱に入れるという方法だ。回収箱は本学国立キャンパスの附属図書館入口と西生協、如水会ビル(東京都・千代田区)に設置されている。国立キャンパス内の回収は、以前から古本リユース活動を行ってきた本学公認サークルのチーム・えんのしたが担当している。回収したもののうち、書籍以外や古本リユース活動で使われない書籍はVALUE BOOKSに送られる。なお、値段のつかなかったものは同社を通じて福祉施設や図書館、海外の教育研究機関などに寄贈される。
古本募金には教職員や学生、卒業生だけでなく、保護者や学外者も寄付が可能だ。他大学では周辺地域住民からの寄付も多く、本学も期待を高めている。指定の場所まで集荷に来てくれる手軽さや如水会々報を通じた卒業生への呼びかけが功を奏し、1月は卒業生を中心に9万円強の寄付を集めた。目標金額は年100万円だ。
導入の背景には、国立大学法人化以降の運営費交付金の削減など、厳しい財政状況がある。学術・図書部学術情報課の佐藤仁美さんは「気軽にできるので、自分自身と後輩のためにもぜひ寄付をしてほしい」と学生の協力も求めている。
各大学が教育研究の質の向上を求められる中、古本募金はその資金確保の一助となる。思い出の品が古本屋で安く買い取られてしまうくらいならば、大学のために寄付してみるのはいかがだろうか。