本学消費生活協同組合(以下、生協)は4月から試験的に、西食堂の夜間営業を約3年ぶりに再開した。本紙は再開の経緯や現在の利用状況、今後の課題などについて、生協専務理事の小岩輝代さんにお話を伺うとともに、利用者の声も取材した。
 そもそも夜間営業は新たに始まったものではなく、コロナ禍前の19年12月まで、西食堂は中間休業なしで昼から夜まで営業していた。しかし新型コロナウイルス感染症の流行により、オンライン授業が中心となる中、西食堂の利用者は激減した。こうした経緯から夜間営業を中止せざるを得なくなったという。
 しかし、新型コロナウイルス感染症の発生から約3年が経ち、社会がアフターコロナに向かいつつある中、本学でも対面授業が徐々に再開されるようになった。これを機に生協は学生に対し、生協利用についてのアンケートを実施し、夜間営業を求める声がどのくらいあるかを調査した。 結果は営業時間の延長希望が約4割に上った。
 アンケートでは、メニューに関する要望も寄せられた。400円から500円の価格帯で、定食型のメニューを求める声が多かったという。また、ご飯の大盛りを求める声も目立った。
 こうした学生の意見を踏まえ、4月から西食堂の夜間営業が再開された。メニューは定食3種類で、価格はすべて500円(ご飯大盛りはプラス50円)。メニューについては学生が頻繁に利用しても飽きないよう、週の途中で差し替えているという。
 ただし現在の営業時間は、中間休業を挟んで18時から20時までであり、休業を挟まず営業するという、コロナ禍前のスタイルに完全に戻ったとは言えない。小岩専務はその理由について、人件費と食品ロスの問題を挙げる。夕方は営業したとしても利用者が少なく、採算が取れない。また一般に、売れ残った学食を廃棄することになれば、費用だけでなく環境の面からも問題だ。さらに、生協のスタッフは大学周辺の主婦の方が中心で、夕方は夕食の支度などの家事をするため、一旦家に帰らなければならないという事情もあるようだ。
 現在の利用状況は及第点だと話す小岩専務。というのも、一日の利用者数80人を夜間営業継続の目安としており、取材時点の平均利用者数は94人と、これを上回っているからだ。ただし、曜日による利用者数のばらつきがあり、月曜や火曜の利用は多いものの、週の後半にかけて段々利用者が減っていく傾向があるようだ。とはいえ現在の利用水準が維持できれば、夜間営業は問題なく継続できるという。
 実際の営業の様子を取材すると、利用者層としては部活動終わりの学生に加え、5限授業の後に来たという学生も多かった。利用者の一人(社1)に、なぜ夜間営業を利用したのかを聞くと「授業終わりで家も近いから」と話した。また別の利用者(法2)は「部活終わりで来た。安くてよい」と満足そうだった。
 今後の課題は何だろうか。小岩専務はその一つに、支払いが現金のみの対応であることを挙げる。実際、営業の様子を取材している際にも、現金しか使えないと知り、財布を取りに行く利用者がいた。取材に応じてくれた前出の利用者2人からも「ばしPay(生協電子マネー)で支払えるようにしてほしい」との声が聞かれた。ばしPayを夜間営業に導入しなかった理由には、夜間はスタッフが少なく、システムエラーが発生した場合に対応が困難であることなどがあるが、食券での支払いなども含め、今後キャッシュレス決済に対応していくことも検討中だという。
 取材の最後に、小岩専務は「利用が拡大すれば、営業の可能性も広がる」と語った。一日の平均利用者数が130人を超えれば、メニューの選択肢を増やす可能性もあるという。今後の夜間営業をさらに充実させていくためには、学生の積極的な利用が望まれる。

夜間営業中の西食堂の様子。
夜間営業時間も、部活動や5限終わりの学生でにぎわう。