先月、本学名誉教授である堀部政男氏が、プライバシー・個人情報保護の分野で優れた功績を挙げた人物に授与される最高位の賞である、「ルイス・D・ブランダイス・プライバシー賞」を受賞した。
同賞は「プライバシーの権利」を初めて提唱し、合衆国最高裁判事も務めたルイス・D・ブランダイスの名を冠した賞。先月3日には、ワシントンで授賞式と記念講演が行われた。
堀部氏の専門は情報法学。1966年に本学法学部講師に就任した後、法学部長等を歴任している。著書には『現代のプライバシー』(80年、岩波新書)などがある。学外においては、OECD情報セキュリティ・プライバシー作業部会副議長などの要職を務めると同時に、個人情報保護法制定にも尽力した。現在はマイナンバー(※)制度の監督などを行う特定個人情報保護委員会の委員長を務めている。
※マイナンバー……今年10月以降全住民に通知され、2016年1月から社会保障・税・災害分野で利用される12桁の番号
〇堀部政男名誉教授のコメント
この賞は今年4年目で、過去3年の受賞者が世界的に著名な研究者などであることからすると、私の業績が国際的に認められたことを意味し、大変名誉であり、光栄である。国際的視野が格段に広がった感がある。
特定個人情報保護委員会委員長としては、日本で初の独立データ保護機関の長であるだけに、重責を担っている。マイナンバーのスムーズな運用、不安の解消など課題は多いが、その職責を果たすべく、使命感に燃えている。
授賞式では、「ブランダイスの『プライバシーの権利』という論文を、50数年前に当時はコピー機がなかったため手書きで一語一語書き写したが、それがかえって理解を深め、その理論は私の血となり肉になっている」と話したところ、非常に喜ばれた。