7月4日、大学通りの洋菓子店・白十字南口店が国立ビルでの営業を終えた。6日にはブランコ通りに新店舗がオープンした。
 今回の移転は店舗移動のための仮移転で、数年後には旧店舗からやや北寄りの、創業当初に店舗があったビルでの営業を予定している。

移転前の白十字南口店

 白十字南口店は、銀座の喫茶店「白十字」(閉店)で修業した山井和夫氏が1955年に創業した。妻・佳代子氏が声楽家だったことから、お菓子には「ノクターン」や「セレナーデ」など音楽にまつわる名前がつけられ、現在まで受け継がれている。
 1972年に国立ビルに移転し、以後50年近くにわたって大学通りのシンボルとして愛されてきた。国立市特産のほうれん草や小松菜などが用いられた焼き菓子セットは、市のふるさと納税の返礼品にも選ばれている。
 また、旧店舗の奥にはグランドピアノがあり、コロナ禍以前はコンサートが頻繁に開催されていた。店員の方によると、特に新歓期には学生も多く訪れていたという。6月30日に取材した際には、移転を知らせる看板の前で残念がる人の姿が多く見られた。
 新店舗はブランコ通りの中ほどに位置している。旧店舗と比べるとコンパクトな店構えではあるが、1階の陳列棚には馴染みの商品が並び、2階には店内飲食用に2人席5卓と1人席1卓の計11席が設けられている。旧店舗と同じく卓上には小さな花が飾られ、落ち着いた空間となっている。
 白十字の商品は、ブランコ通り店だけでなく、商品工場に併設された富士見台店、JR国立駅ニューデイズ内、JR吉祥寺駅ニューデイズ内でも購入できる。


白十字ブランコ通り店
住所 国立市中1-9-68
営業時間 9:00~19:00