「ハラスメントだと声あげていい」 セクハラ・ソジハラ実態調査の結果公表

 本学の学生団体「Bridge for All」と「LGBTQ+ Bridge Network」が2020年11月から21年1月にかけて、「一橋大学性暴力及びセクシュアル/SOGIEハラスメント実施調査2020」を実施した。調査から様々なハラスメントの実態がわかった。

 今回の調査は学内団体であるLGBTQ+ Bridge NetworkとBridge for Allによって実施された。対象は本学学生とインカレ所属の他大生。Google Formを使って1月1日まで行われ、112票の回答が集まった。
 調査の目的は学内における性暴力やセクシュアル・ソジハラスメントの実態を明らかにすることだ。17年に本学の社会学研究科が行った「キャンパス内差別実態調査」が下敷きとなっている。今回の調査では記述回答を増やし、17年調査ではわからなかった具体的な様相を調べた。
 調査結果からは「性的な冗談」「体を触る」といった、典型的なハラスメントが発生しているとわかった。Bridge for All代表の西良朋也さん(社研2)は加えて、権力関係を土台としたハラスメントの存在も指摘する。回答の中には、教員や部活のトレーナーによるハラスメント事例もあった。
「グレーゾーン」にあるハラスメントの多さも特徴的だ。回答では「ハラスメントと言えないかもしれないが」といった言葉が目立ち、被害の訴えをためらう様子が見える。そのような事例は矮小化されやすく、ハラスメントと認定されないこともあるという。西良さんは「声をあげていいとエンパワーメントすることが必要だ」と話した。
 調査結果を受けてBridge for Allは今後、大学などと連携し一層の啓発活動を行うという。「もやもやを抱えているが、何をしたらいいのかわからない人は多くいる。団体がその受け皿となれれば」と西良さんは話した。


LGBTQ+ Bridge Network
 ジェンダーやセクシュアリティに関する問題に取り組む学内団体。
Bridge for All
 2019年設立の学内団体。性暴力に関する啓発活動を行っている。
ソジハラスメント
 性的指向、性自認に対する差別やハラスメントのこと。