本学キャリア支援室がまとめた、2018年度本学学部卒業生の進路状況が明らかになった。就職者を就職希望者数で割った就職率は97.02%で、昨年度から0.32㌽減少した。卒業生1054人のうち、就職は912人、大学院進学は77人だった。
業種別では「銀行」が13年連続で首位を維持。しかし就職者数を減らし、就職者数に対する割合は昨年より2.5㌽減少した。昨年2位の「サービス業・その他の業種」は0.4㌽増加し、単独では1位の「銀行」と肩を並べた。3位は「貿易商事」で、昨年より0.7㌽増加した。
キャリア支援室は、18年度の進路状況を「就職先の多様化が顕著になった」と特徴づけた。中でも、従来は最多だった銀行業界への就職者数が相当数減少したことは象徴的だ。こうした多様化の背景として、ワークライフバランスや働き方改革への関心の高まりや、AIなど最先端技術の台頭を挙げた。
就職活動についてキャリア支援室は、自分なりの方向性を早めに考え始めることを従来の課題として強調した。具体的な活動は必要になった時点で焦らずに始めればよく、まずは周囲の変化に目を向け、自分の立ち位置を考えてみることを勧める。それによって、自己の関心領域や適性が明らかになり、自分なりの方向性が見えてくるという。その上で、「その感覚が就職活動ではとても重要だ」とコメントした。
昨年秋には経団連が「就活ルール」廃止を決定。3月に広報活動を、6月に選考活動を解禁する経団連主導ルールは20年春卒業までの適用となる。21年春卒業までは、政府主導で現行ルールが維持される見込みだ。これにより従来主流だった「新卒一括採用」から「通年採用」など新しい採用形式への移行が進む。
さらに、こうした変化は、働く目的という根源的な問いに立ち返り、自分がしたいこと、できること、なすべきことの3つの側面から、自分と就職先を見極める良い機会となるという。また、終身雇用にとらわれないキャリアの積み重ねを念頭においた取り組みにつながり、より広い選択肢を考える契機にもなるとした。