本紙は昨年、1924年の創刊から100年を迎えた。大正から昭和、平成を経て令和に至るまでの4つの時代を通じ、本紙には学生の視点に基づいたさまざまな記事が掲載されてきた。この企画はそれらの記事を通して、読者とともに本学のこれまでの歩みを振り返るものである。
前回は、日中・太平洋戦争期の本学について取り上げた。今回は、戦後の国際復帰へ向けた動きのなかで、本学学生たちが当時の日本をどう見ていたかに迫っていく。
ポツダム宣言受諾後、日本は新憲法の制定によって軍隊を廃止し、戦争の放棄を宣言した。
しかし、 1950年に朝鮮戦争が勃発すると、GHQは再軍備を指示し、警察予備隊が発足した。これに対し、本紙の第447号では、再軍備の是非についてアンケートを行っている。まず、「わが国の憲法は自衛権を認めていると思いますか?」との問いに対し、32%が「認める」、56%が「認めない」と回答。「わが国の再軍備に賛成ですか?それとも反対ですか?」との問いには77%が「反対」を示した。そして、「あなた自身が軍隊に参加する、あるいは参加させられることを肯定しますか?」という質問に対しては、92%が「肯定しない」を選択し、軍隊への参加を拒否していた。
このように、学生たちの平和への希求は1960年代の安保闘争以前から存在していたのである。当号の主張欄には、「恒久平和の為に、その実現に向うどんな小さな事柄でも、われわれの毎日の具体的な生活の中で今直ちに行動に移されねばならない」と記されている。この言葉は、当時の学生だけでなく、現代を生きる私たちにも向けられたものではないだろうか。
今回取り上げた記事の全文は、本学附属図書館所蔵『一橋新聞』第6巻(不二出版)に掲載されている。
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