5月10日に開催されたホームカミングデーでは、兼松講堂での講演プログラム以外にも、さまざまな企画が用意された。
MRIに関する講演会は、本館2階の21番教室で3回にわたって開催された。OB・OGだけでなく一般の人も多く参加していた。
午前11時からの第1回講演会では、本学脳科学研究センターの福田玄明准教授(ソーシャル・データサイエンス研究科)が、同センターを利用した文理融合の新しい社会科学を実現する必要性を語った。世界中で注目を集めているデータサイエンスを利用し、社会科学の知見、社会課題への問題意識と脳科学的手法の融合を目標にしているという。また、社会で活躍する卒業生の脳の構造を科学的に解析するために、MRIを利用した脳画像データ収集プロジェクトが行われていることも発表された。
講演の目玉は、収集プロジェクトの1人目として参加した中野学長のMRI画像を利用した、脳の構造に基づく性格や能力の分析である。ただし、福田准教授は「脳の構造による認知能力や言語能力の差異は、あくまでも傾向に過ぎない」と補足した。
講演会の最後には感想発表の機会が設けられた。学部1年の女子学生は「文理融合の新しい社会科学に対して興味を持つようになった」と話していた。福田准教授は、講演の締めくくりとして「一橋大学の新しい伝統を作っていきたい」と述べた。
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講演会の他にも、キャンパス内ではさまざまな催しが行われ来場者を楽しませた。本館1階では、写真部の作品展示と茶道部の実演が行われていた。また本館前にはたくさんのキッチンカーが並び、ケバブやまぜそばなど、さまざまな料理が提供された。
附属図書館はイベント参加者向けに開放されており、展示室では本学の発展に尽力した渋沢栄一にまつわる展示企画が開かれた。また図書館に隣接する時計台棟1階では、一橋祭とKODAIRA祭の過去の写真が展示されていた。時代とともに変化する学園イベントの様子を感じることができた。
旧門衛所の前にはうさぎの形をしたエアースライダー(空気を入れて膨らませた滑り台)が設置され、小さな子どもたちが楽しく遊んでいた。実際に遊んでいた女の子(7)は「高くて少し怖いけど、もう1回やりたくなるくらい楽しかった」と笑顔で話していた。
この他にも休憩スペースのテントではバルーンアートが披露され、トークを交えながら次々と見事な作品が作り上げられた。翌日11日が母の日であることにちなみ、カーネーションの風船を子どもたちにプレゼントしていた。
野外ではチンドンパレードも行われており、派手な衣装に身を包んだ人々が愉快な音楽を演奏した。来場者と写真を撮りながらキャンパス内外を練り歩き、会場を盛り上げた。
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