3月下旬のゼミナール選考を受け、一躍注目を集めたウェブサイトが「ゼミメル」だ。学生のゼミ選びを合理化するため、去年の12月に本学学生らによって開設された。現3年生の利用者は7割以上だという。「ゼミメル」について運営メンバーに話を聞いた。
「ゼミメル」を立ち上げたのは、大住優亮さん(商3)と鈴木悠人さん(商3)。第9回一橋大学学生ビジネスプランコンテスト優勝後(“ 第9回ビジコン 優勝者インタビュー ― THE IKKYO SHIMBUN ”)にハノイ貿易大学を訪問した際、現地の学生が事業を成功させていることに感化され、一晩でサイトを設立。予想以上のアクセス数を叩き出したため、成功する可能性を見いだし、拡大を続けた。今ではメンバーは14人にのぼる。
Vision&Concept
「ゼミメル」のコンセプトは「大学生の意思決定を合理化する」。ゼミ選びにおいては、散在した情報源を巡回する手間や「About SEMINAR」を発行するコスト、ゼミの実態を掴みにくいことを問題点と捉えた。これをゼミの情報を一元化することで解決する。そうすることで、「なんとなく」や「初めから関心を絞った」といった非合理なゼミ選びを避けることができる。さらに、広告料で収益を上げて存続させるというビジネスモデルになっている。
Promotion&Contents
アクセス数とサイトの滞在時間を伸ばすためには、ユーザーの誘導とコンテンツの充実の両方が重要だ。前者について、PR部門統括の北谷嶺さん(商2)は「ゼミを選ぶ上での迷いが、情報を共有・拡散する原動力になる。これを利用して『ゼミ選びをバズらせたい』」と語る。後者について、コンテンツ部門統括の森川龍さん(商3)は「教授も研究者である前に一人の人間である。その人となりを知ることで、ゼミ選びに役立ててほしい」と、インタビュー記事を執筆している。
About SemiMeru members
それに加えて、ゼミメル運営はサークルやインターンなどと違う学生生活の場を提案する。大住さんは「インターンなど様々な方面で活動的な学生が、学内で何かをできる場を作りたかった」と語った。実際にメンバーの所属団体も様々で、それぞれの強みを生かしているという。本学に少ないエンジニアが多いのもゼミメル運営陣の特長だ。そのため、ユーザーのニーズをとらえるとすぐに行動に移せる。また、インターンから学んだデータ分析やスケジューリングのツールが使われている。「メンバーにはゼミメルだけにコミットするというよりも、インターンなどとの往復によって価値を高めていってほしい」とも話した。
鈴木さんが「大住は人を見る目と熱意を伝える力がある。彼が声をかけた人はみんな熱心に活動してくれている」と話したように、今回の取材ではメンバーのエネルギーに驚かされた。それがビジネスチャンスを見つける嗅覚の鋭さにつながり、今のゼミメルの勢いを作っているのだろう。さらにゼミメル運営は、今まで得てきた知見や価値を他の意思決定の機会にも拡大していきたいと話している。
合理的な選択をするためには、少なくとも情報の偏りをなくさなくてはならず、そのためには持続可能なシステムを作る必要がある。「ゼミメル」のこれからに期待したい。
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