10月6日にインテリジェントホールで第9回一橋大学学生ビジネスプランコンテストの2次審査会が開催された。1次審査の書類選考を通過した5組が2次審査会に挑んだ。2次審査ではそれぞれの組が考え抜いたビジネスプランを紹介した。2次審査の結果、鈴木さんと大住さんのペアが優勝した。優勝した鈴木悠人さん(商2)と大住優亮さん(商2)に話を聞いた。
2人が発表した「#NoMoreWaste」は高校生の勉強方法の改革を狙ったプランだ。大住さんは塾講師をしていたとき、教材や授業を提供するだけの塾や予備校のやり方は不十分で、学生が勉強を習慣化できていないと感じていた。鈴木さんも、留学生に比べて日本の学生がテスト前以外には勉強しない人が多いなど、日常的に勉強をする習慣がないことを憂慮していた。
このことを背景に、全ての日本人を物事の習慣化のプロフェッショナルにするというビジョンが2人の目標になったという。教育コンテンツそのものには多くのプレイヤーの参入が進んでいる中で、学校環境においてどのようにそういったコンテンツを生かして生徒を習慣化させる仕組みをつくるかに着目して、具体的なプランを考案したそうだ。
鈴木さんが今回のコンテストへの出場を決めたのは、授業の内容を実践に移すいい機会だと思ったからだ。大学で授業を受けているだけでは、生徒のクリエイティビティを発揮する機会がないと感じていたため、コンテストで学べることがあるのではないかと思い立った。大住さんは1年次から週に5日間インターンをこなしていた経験を買われ、鈴木さんに誘われて出場を決意した。
準備は6月から、当日の朝6時までかかった。前日夜に発表の流れを大幅に変えることを決意し、徹夜で仕上げた。当日は非常に疲れたが、納得のいくものができたという。
2人でプランを練る上で一番苦労したことは、2人の意見をすり合わせることだった。大住さんは抽象的に物事を考える傾向が強いのに対して、鈴木さんは論理的に物事を考えたいそうで、話を進めるのに手間取ったという。しかし、正反対だからこそチーム内で分業ができ、結果として充実したプランができたと満足そうに話した。
優勝した2人は11月末にベトナムのハノイ貿易大学を訪問してビジネスプランを発表し、現地学生と交流。英語での発表だが鈴木さんは「基本的には一橋大学で発表をした時と同じように、自分たちのプランの現実性を訴えかけるという意味では変わらない」と語った。そんな2人の唯一の心配事は食事だ。鈴木さんはパクチーが大の苦手なため、発表日は特に気をつけたいと笑った。
現在、2人はこのビジネスプランを現実のものにするために動き出している。コンテストに向けて準備したプランの実現可能性がそれほどまでに高かったからこそだ。
2人はビジネスコンテストへの出場を考える人に向け、深く考えずにとりあえず出てみたらいいとアドバイスする。プランを練っていくプロセス自体が勉強になるという。ぜひ出場をおすすめしたいと2人は口をそろえた。