経験者に学ぶ! サークル設立の手引き

 本学は小規模ゆえにサークルの数が多くない。やりたいことができるサークルがない、と悩む学生も、毎年必ず出てくる。そうした学生の中には、サークルを自分で作ってみたいと考える一方、誰と何をすればいいのかわからない人も多いのではないだろうか。今回は、そんな悩める学生たちへの手引きを求め、4人のサークル創設者に話を聞いた。

 取材したのは、一橋日本史同好会のAさん(社1)、一橋大学等ラーメン同好会の高橋健太郎さん(社2)、そして就活支援サークルTNK塾の岩渕圭悟さん(修経営2)と坂元渓太さん(修経営2)。

 

思い立ったが吉日

 Aさんと高橋さんはいずれも、やりたいことができる場を求めて設立に踏み切ったという。

 「もともと入部したかった入試問題を研究するサークルが新歓をしないと知っても、一橋日本史への想いが捨てられなかった」と話すAさん。好きな科目で、不安な受験生の力になりたかったという。現在は過去問や本学教員の専攻分野・書籍の内容をもとに入試予想問題の作成などを行っている。

 高橋さんは「ラーメンに関するサークルを作りたいと考えていたが、1年生では厳しいかなと思っていた。だが、もともと入っていたサークルの創設者に刺激を受けて、自分も作りたくなった」と振り返る。結果的に、深夜の気軽なノリで、SNS上でグループを結成し、サークルを立ち上げた。以降もSNSを通じて部員は増え続け、設立から半年で、都内4大学のおよそ30人が所属するまでになった。来年以降の新歓を見すえ、大学からの公認も受けた。「新歓期を目前にしたとき、焦らないですむ。それに、大学から公式に認められているという気持ちは、サークルの結束を強めることにつながる」

 岩渕さんと坂元さんは、今年の夏に思い立ってからわずか1カ月ほどで設立に踏み切ったという。「MBAにいる自分たちは、社会人との接点が多い。それを活かして何かしたいと思った」と岩渕さんは話した。

 また、TNK塾が就活に役立つサービスを提供するサークルであるだけに、学生間の認知度は重要だ。日課としているSNSやブログの更新に加え、主催するイベントの1週間前には西本館でビラを配っているという。

 

創業は易く守成は難し

 小さな新設団体は、数年もたずに自然消滅することも少なくない。1年次に3団体に所属していた高橋さんによると、長続きするサークルの共通点は二つある。一つは、活動内容がわかりやすくて、メリハリをもって楽しめること。Aさんも「はじめはただの遊び仲間でいいが、設立意図がはっきりしていることが一番大切だ」と強調する。二つ目は、創設者のワンマンにならないこと。「後継者の育成を早めに行って、第一線を退く勇気をもつべき」と高橋さんは語る。岩渕さんと坂元さんも、設立2カ月ですでにMBAの後輩への引き継ぎを考えているという。

 

案ずるより産むが易し

 サークルを作りたい学生に対して、坂元さんは「最初に踏み出す一歩を恥ずかしがらずに、まずは行動してみるといい」とエールを送る。Aさんも「好きなものをわかちあえる仲間を3人集めるだけでも、団体は作れる」と話し、敷居は決して高くないとした。

 

 

 大学生活において、サークルは重要なコミュニティとして機能する。それを自ら作り上げることは、きっと有意義な挑戦となるだろう。ここで取り上げた4人が、ロール・モデルとなれば幸いだ。