本学大学院における自治を担う院生自治会において理事長を務める梶原渉氏は、本紙の取材に対し、候補者不足の事態を学内民主主義の危機と位置づけ、深い憂慮を示した。意向投票の結果を踏まえずに学長が先行される国立大学が近年散見される中、本学においてはそうした事態がこれまでなかったにもかかわらず、教職員においてすら議論がなされない事態を懸念する。
学生側の関心の低下も課題だ。本学では、かつて7割に達した除斥投票の投票率は、近年は1割前後に低迷している。 院生自治会は、候補者への公開質問状を作成し、回答を公表するなどの取り組み により、議論の活性化を図る方針だ。
新学長には対話重視の姿勢を
梶原理事長は、構成員との対話が軽視された蓼沼 宏一前学長体制と比べ、中野聡学長体制は意向投票の結果を踏まえ発足した点やダイバーシティーを推進してきた点などで一定の評価ができるとする。その一方で、法人化以降の大学改革によって形成されたトップダウン型の意思決定構造が、学内の民主的議論の素養を弱めていると危機感を示す。その上で、新学長には学生や 教職員の声に積極的に耳を傾け、対話を重視した大学運営を行う姿勢が求められるとした。
こうした状況は学生も無関係ではない。学長選考が候補者不足 という現実に直面する今こそ、学生自身が学内の議論に主体的に参加し、執行部を対話の場へと引き出す取り組みが必要となるはずだ。除斥投票は3 月にも実施される予定である。