【ごみ拾いサークル】国立あかるくらぶに迫る

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ハロウィン前日のごみ拾いで仮装した内田さん(左)と熊野さん

 「国立をごみ拾いの聖地にする」。そう話すのは、本学公認サークル国立あかるくらぶの熊野壮真さん(社3)と内田瑛介さん(経3)だ。同サークルは15年10月に発足。「グローバルを目指す一橋の中であえて『どローカル』にいってやる」と地域貢献を目指し、環境、防災、まちづくりの3分野で活動している。今回は初期から行っているごみ拾いを中心に、その実態に迫った。

 もともと国立市民の有志が夜回りパトロールを兼ねたごみ拾いを行っており、それに加わる形でごみ拾い活動は始まった。「国立市は日本で4番目に小さい市だから何とかきれいにできるだろうと思ってた」と活動当初を振り返る。しかし実際に市全域を拾って回る過程で、思っていたよりも市が広いことに気が付いた。そしてごみの多い場所へ重点的に拾いに行くなど、効率の良いごみ拾いについて考えるようになったそうだ。それまではカウンターで拾ったごみを数えていたが、ごみの多い場所を把握するためにスマートフォンのアプリを使用することにした。このアプリでは、拾ったごみに当てはまる種類のアイコンをタップすることで、位置情報を利用していつどこでどのようなごみを拾ったのかが地図上に出力される。ごみが多い場所を目に見える形で示せると、企業や行政と連携する上でも話が進みやすいのだという。

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ドナルドに扮し、棒を振り回す前田代表

 驚くことにこのアプリを開発したのは国立あかるくらぶだ。Android版はメンバーが一からプログラミングを勉強して作成した。iOS版の作成は市内の国立せいさく所に依頼。その際、画面をタップすると音が鳴るように改良され、アプリを使う地域の子どもたちが喜んでいたのを見て、「正確なデータを集めることに意識が行きがちだったが、使いやすさや面白さも大切だと感じた」と話す。共に活動している市民からは「『タバコ!』と言ったらタバコをカウントできるようにしてほしい」とも言われており、現在もアプリの改善に情熱を注いでいる。今後は、「集めたデータをもとに、まだデータのない土地の地図からごみが多いところを予測できるような機能をつけたい」と夢を語った。

 彼らの環境美化はごみを拾うことに留まらない。ポイ捨てついても行政や企業と考えている。ポイ捨て対策として各人のモラルに訴えるだけでは限界がある。そこで国立あかるくらぶはごみを道端で捨ててしまう理由を考えた。既にごみがある場所や暗い場所などポイ捨てしやすい環境に着目し、環境とポイ捨ての関係を調査中だという。街の環境改善と個人のモラル向上という両輪で、日本一きれいな街を目指している。

 日々ごみを拾って「汗をかく」、アプリ開発やデータの分析で「知恵を出す」、活動を通じて地域と「手をつなぐ」。決して派手ではないが、彼らの地道な活動の積み重ねは確実に国立をあかるくしている。