留学には、やや敷居の高い印象がつきまとう。英語のできる人がするもの、海外に出ていくなんて怖い、莫大なお金がかかる、etc……。海外派遣留学(以下、如水留学)制度の詳細や留学の諸問題について、HEPSA(Hitotsubashi University Exchange Program Students’ Association)のメンバーに話を聞いた。

 HEPSA学生事務局代表の岡田莉菜さん(商4)によると、留学希望者には海外経験のない学生も多いという。「たしかに全体の約四分の一は帰国子女ですが、過半数は長期滞在の経験もなかった人たちです」HEPSAで会計を担当している柴田幸生子(さきこ)さん(経4)も、それまで海外経験のなかった一人だ。「留学に際しての諸々の事務手続きや現地のスーパーの使い方もよくわかっていないレベルでしたが、国際課の職員やHEPSAの先輩方のアドバイスを受けながらこなしていきました。特にHEPSAは既に留学を終えた方から生の声を聴ける貴重な場なので、どんどん活用してほしいですね」

 如水留学の応募には2.7以上の累計GPAと、希望大学が定める種々の要件(GPA、TOEFL等)を満たす必要がある。昨年度の一年生の年間平均GPAが2.85なので、基準としては緩い。また、語学要件に関しても不安がる必要はないと二人は口をそろえる。「一橋に受かってきた英語力なら大きな問題はないと思います。基礎強化クラスでも留学している人はいますし」

 留学には金銭的不安がつきまとうが、本年度如水留学の募集要項によると、本学が提供する金銭的支援は右記のようになっている。①留学準備金、 派遣留学期間 金額8か月以上なら 35万円、 8か月未満 なら25万円、②留学先の都市に応じた滞在費奨学金10万円、8万円、7万円、6万円のうちいずれか。

 留学先の学費はかからないが、本学の学費は納入しなければならない。その際は他の奨学金と併給することも可能だ。こうしてみると、如水留学には補助が多く、支払うべき費用も少ない。支援制度は非常に充実しているといえるだろう。

 ただ、こうした支援体制があっても、留学先の環境が肌に合わずに途中帰国した人もいたと岡田さんは話す。「留学先には身近に相談できる相手も多くないですし、実際に体験することでしか分からない文化や感覚もあります。そのためか、非常に少ないですが途中帰国してしまう人もいます。そうした事態を防ぎ、できる限り留学を有意義にするためにも、分からないことや困ったことは相談してもらえると嬉しいですね」

 また柴田さんは勇気を出して一歩踏み出してほしいと語る。「留学に向けて能動的に動き出すことにやはり最初はためらいなどもあるかと思いますが、一度声をかけてくれればいくらでも支援できます。ですから、まずは遠慮せず連絡をしてもらえればと思います」

 本学のこうした制度やHEPSAは、留学を志す学生を大きく支援するものだ。積極的に活用し、ぜひ留学を実り多い経験にしてほしい。