インタビューに応じてくれた(左から順に)原田満帆さん、大畑徹平委員長、谷川翔太郎さん

 第55回一橋祭が、11月22日から24日の3日間の日程で開催される。コロナ禍を乗り越えて対面で実施された昨年に続き、さらに飛躍を続ける一橋祭。本紙では一橋祭の実施に先立って、一橋祭運営委員長の大畑徹平(おおはた・てっぺい)さん(社3)、学術系企画担当者の谷川翔太郎(たにがわ・しょうたろう)さん(経2)と原田満帆(はらだ・まほ)さん(法2)にインタビューを行い、委員会主催の企画、仕事内容や、運営全般について話を伺った。
 本学には6月にもKODAIRA祭という学園祭があるが、これは主に新入生が主体となって取り組むのに対し、一橋祭は全学年の学生がその主体である。部活動やサークル単位での参加も多い。
 さらに、同祭は伝統的に地域とのつながりを重視している。運営委員会は、年間を通して様々な地域のイベントに企画を出すなどして、地域との深い関係づくりを行っている。また、東京科学大学の学園祭とユーチューブでコラボするなど、学園祭同士といった、地域を超えた関わりにも積極的である。単に学園祭を成功させるだけでなく、学園祭で生じるゴミ問題といった環境問題などの社会的責任についてもどのように向き合うべきか、都内の学園祭との間でアイデアを共有しているそうだ。
 学園祭といえば、多くの学内団体による模擬店を想像する人も多いであろうが、運営委員会による企画にも注目すべきものが多い。例えば、本学の学術面に焦点を当てて発信する「学術系企画」がある。今回はこの学術系企画に目を向けてみたい。
 22日には、講演会「日本製鉄会長と語る、一橋と未来」が開催される。本学の卒業生で、日本製鉄会長である橋本英二さんを招いて、本学での経験を踏まえた講演をしてもらう。本学出身の著名な方による講演会は、昨年から「卒業生講演会」と銘打って開催されているが、今後も同様に続けていきたいと大畑さんは語った。
 23日には、本学5つの学部の教授による「五学部公開講義」が催される。ここでは、それぞれの学部の教授が「ことば」というテーマを軸に、その学問をもとに模擬講義を行う。一つのテーマに対しても、それぞれの学部によってテーマを扱う切り口が大きく異なるそうだ。他学部に興味をもつ本学学生はもちろん、受験生や地域の方にもおすすめの企画である。
 24日には「知ろう!一橋〝大学院〟研究」という名で、本学の大学院生による研究結果の発表が行われる。例年の学術系企画では学部生や教授による発表が多かったが、今年は院生の研究を間近で体験することができる。

インタビューに応じてくれた(左から順に)原田満帆さん、大畑徹平委員長、谷川翔太郎さん

 これらの企画について、学術系企画担当の谷川さんと原田さんから来場者へのメッセージをもらった。「これらの企画は一橋生の日常生活に根差したものであり、華やかなお祭りとは少し異なる、学生の生の声に注目してほしい」(谷川さん)「学園祭といえば模擬店やステージ発表のイメージが強いかもしれないが、これらの企画にも興味を持ち、楽しんでもらいたい」(原田さん)。
 さらに、今年のテーマについても伺った。一橋祭には毎年、委員会内で決められるテーマがあるのだが、今年のテーマは「昼想祭夢」(ちゅうそうさいむ)となった。これは、四字熟語「昼想夜夢」(ちゅうそうやむ:目が覚めている昼に思ったことを、夜に夢に見るほど夢中になっているさま)になぞらえたもので、「昼に馳せた思いが、祭の場で紡がれる」という想いが込められている。学生生活の精一杯の輝きを披露する場として、まさに最適なテーマであろう。
 最後に委員長の大畑さんに意気込みを伺った。「短い学生生活の中での一瞬の輝き、そしてその熱気や感動が来場者に伝わるよう、全力で取り組んで祭りを成功させる」。お祭りとしての華やかな一面はもちろん、学生や運営委員それぞれの、様々な想いが詰まった一橋祭。今年も大いに盛り上がることだろう。