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「如水会」の知られざる実態に迫る

 今年の4月、5年ぶりに本格的な対面の形で新入生歓迎会が実施され、大好評のうちに幕を閉じた。歓迎会開催の裏には、同会を企画した「如水会」の存在がある。本学の同窓会組織として知られる如水会だが、実際にどのような活動を行っている団体なのか。これに答えられる本学学生は、多くはないのではないか。そんな本学同窓会組織「如水会」の実態について、同会理事兼事務局長を務める三輪隆司さん(昭57商)に話を伺った。

如水会の事務局が入る如水会館

【如水会 主な活動内容とは】
 礼記(※)にある「君子交淡如水」(立派な人物の交際は水のように淡泊であるが、その友情は変わらず続いていくという意)のフレーズから命名された如水会は、本学の同窓会として、1914年に誕生した。名づけ親は、本学創設に尽力した渋沢栄一。如水会は創設以来、本学の支援、同窓会員相互の親睦を目的に、今日まで活動を続けてきた。
 では、同会は具体的にどのような活動を展開してきたのか。特筆すべきは、やはり本学への多大な支援である。
 例えば資金面での援助でいえば、海外派遣留学生への奨学金支援制度が挙げられる。交換留学制度によって派遣される学部生を対象に、同会が渡航費と滞在費を給付している。この制度の下、毎年100名以上もの学生が、大きな金銭負担を強いられることなく留学へ行けているのだという。金銭的支援では他にも、国際交流助成金の提供も行われている。運動部の海外遠征、文化部の海外での国際交流活動に対し、その渡航費などを援助する制度だ。近年ではバレーボール部や柔道部に対し、海外遠征のための活動資金の一部負担を行ったそうだ。また、KODAIRA祭 、一橋祭の両実行委員会に助成金の給付を毎年実施し、学園祭運営の下支えも行っているという。
 新入生歓迎会・卒業祝賀会の開催も行っている。(今年度の新入生歓迎会の様子は、4面にて扱っているので、目を通してほしい。)
 これら以外にも、学部2年生以上から受講が可能な、如水ゼミへの全面的な協力も行っている。如水ゼミとは、金融・商社・マスコミなど、各業種の第一線で活躍している卒業生が、各業界の実情や自身の経験等について、ゼミナール形式で講義を行う授業だ。授業内容や形式などは各講師に一任されており、自身の企業内で授業を開講したり、食事会を開催したりするゼミもあるそうだ。普段の授業の枠にとらわれない、貴重な経験ができる如水ゼミも、如水会の支援の下で開講されている。
 本学の施設への支援も実施されてきた。本学の迎賓館である佐野書院、小平国際キャンパスの如水スポーツプラザといった施設への寄附を実施したほか、2003年から実施された兼松講堂改修工事、ボート部の戸田艇庫の建設等も手掛けたそうだ。
 このように如水会とは、普段は目に留まることはないかもしれないが、様々な形で本学への支援をしている団体なのだ。

【入会するとどうなる】
 では、以上のような如水会に入会すると、どのようなサービスを享受できるのだろうか。 一つには、如水会Web名簿が利用できることが挙げられる。名簿を利用することで、直接卒業生と連絡をとることができ、就職活動などで活用できるそうだ。また、会員限定の各種講演会も定期開催している。
 如水会館のレストランなどの施設を割引価格(12%OFF) で利用できるほか、同会館最上階の一橋クラブの利用が可能になる特典もある。
 同会に入会すると、会員証として、兼松講堂がデザインされたクレジットカードが発行される。カードの利用額の一部は如水会に還元され、本学の支援に活用されるという。

【如水会館の実態に迫る】 
 千代田区一ツ橋という、皇居を一望できる位置に佇む「如水会館」には、如水会の本部が置かれている。1919年に建築された同館は、その後の1982年の新装改築を経て現在に至る、伝統ある格式高い施設だ。
 本部以外にも、レストランや宴会場、結婚式場なども入る。これらの施設は誰でも利用 することができるそうだ。レストランや宴会などを運営しているのは、東京丸の内で宴会場などを運営する東京會舘。如水会館のレストランやカフェでは、実際の東京會舘の店舗 より、リーズナブルな価格設定がなされているそう。格式高い雰囲気の中で食事をしてみたい学生にはオススメだ。
 如水会館最上階には、レストランやバーラウンジが入る、一橋クラブがある。この場所は如水会員のみが利用ができる(会員同伴の場合のみ非会員の利用可)場所。皇居や官庁街を一望できる絶景の中、晴れの日のお食事場所として訪れてみてはどうか。

一橋クラブの一室。皇居や官公庁街が一望できる

(※)儒学の基本的な経典の一つ。