第53回一橋祭が11月18日から20日の3日間にわたって開催される。今年度の一橋祭は、現在のところ実地とオンラインのハイブリッド開催と発表されており、実に3年ぶりに大学構内が会場として広く一般に公開される。そこで本紙では、今回の詳細な開催形態や特徴的な企画、運営上の工夫などについて、運営委員会委員長の酒井拓海さん(社3)にインタビューを行った。
過去2年間の一橋祭は、コロナ禍の煽りを受け、オンライン中心に実施されていたが、今年度は対面開催の要素を強め、在校生のみならず一般の方々も大学構内に来場できる形となる予定だ。対面開催による懸念の一つは感染症対策だが、会場が密にならぬよう来場制限を講じて、来場者が安心して祭りを楽しめるようにするという。なお、開催形態については10月現在も大学側と交渉中であり、今後も変更の可能性がある。
今年度の一橋祭の魅力について、酒井さんはその「新しさ」を強調する。今回復活させる一橋祭の伝統的な対面開催と、過去2年間で培ってきたオンライン開催のノウハウとを併用することで、全く新しい形の学園祭を目指すという。「これまでの一橋祭で積み上げてきたものも様々あると思うが、まずは今年度の一橋祭が見せる新しい姿を味わってほしい」と、酒井さんは熱く訴える。
今年度の運営委員会では、本格的な対面開催の復活に向けて、多数の他大学の学園祭運営委員との交流を積極的に行った。コロナ禍での学園祭運営に取り組む者同士の情報交換はとても刺激的で、様々なことを学んだという。そんな連携の中で実現したのが、同じ多摩地区に立地する東京外国語大学の外語祭とのコラボ企画。3年ぶりに復活した本企画では、両大学学園祭委員の対談を一橋祭WEBマガジンや一橋祭ラジオで公開しているほか、今後も様々なコンテンツを発信する予定だ。
また国立市の人々との関わりも重視している。コロナ禍が落ち着き始め、国立の街も賑わいを取り戻しつつある中で、一橋祭の認知度を改めて上げるための取り組みを強め、5月には市のスポーツイベント「LINKくにたち」にも参加した。将来の一橋祭のさらなる発展のためには、委員会内部だけでなく、地域の人々を巻き込んで連携を図っていくことが肝要だと酒井さんは考える。
そんな今年度の一橋祭にあふれる新しさは、委員会の活動方針にも現れている。委員長職をやっていく上で、酒井さんがモットーに掲げたのは「やってみよう」。新しいことに挑戦し続けてきたという。特に重視したのが、委員会内部を楽しくすることだ。委員が楽しくなければ祭りも楽しくないという信条のもと、単調になりがちなオンラインでの作業に代えて、委員同士が対面で会える機会を増やしたり、委員同士の交流が深められるイベントを打ち出したりなどしたそうだ。
最後に、約1か月後に迫る一橋祭当日に向けての意気込みを尋ねた。酒井さんは「やっとの対面開催となり、ようやく地域の方々や子どもたち、受験生など多くの皆さまとお会いすることができる」と喜びの声を漏らす。その上で、「皆さまがより楽しんでいただけるものを作り上げていこうと、これからもまい進する所存です」と強く語ってくれた。