ビジネスコンテスト「THIS」開催 東工大との懸け橋に

 8月16日から9月10日にかけて、ビジネスコンテスト「THIS」が開催される。一橋大生2名と東工大生2名がチームとなってビジネスプランを考案する。主催団体は、一橋大学の澁澤塾と東京工業大学のAttic Labだ。開催の経緯やその魅力について、コンテストの総括を担当する福島太朗さん(商2)と、外部協力者との交渉を担当する大西倖生さん(経1)に話を聞いた。

——主催団体について教えてください。
 福島さん:澁澤塾は昨年11月にできた学生団体です。現在は主にオンラインで卒業生の方に講演をしていただいたり、自主勉強会を開催したりしているほか、国立市や他大学の方々と共同で活動を行っています。
 Attic Labは、東京工業大学のワーキングスペースでコンテストの開催場所でもあるHISAO&HIROKO TAKI PLAZAを管理するとともに、そこで様々な講演会や交流会を開催している団体です。現在は新型コロナウイルス感染症の影響で、オンラインイベントの主催も行っています。

――コンテスト開催に至った経緯とその目的を教えてください。
 福島さん:一橋大学と東京工業大学の学生が協働できるような場を作りたいと考えたのが始まりです。両校は四大学連合という形で結びついてはいるものの、学生同士が交流する機会は少なかったのではないかと思います。そこで、澁澤塾のほうからAttic Labに声をかけさせていただきました。参加者の皆さんにビジネスについて学んでもらうことはもちろん、両大学の学生の交流を深めることも大きな目的です。将来的には四大学連合の加盟校をはじめ、ほかの大学をも巻き込んだ交流の場を作ることを目指したいと考えています。

――コンテストの流れを教えてください。
 福島さん:4週の開催期間のうち第1週は運営側が勉強会を開いて、ビジネスの知識がない人が今後の活動に必要な知識を学ぶ機会を設けます。第2週と第3週は実際にチーム内でビジネスプランを考えていただきます。各チームに1人専属のメンターが付きますので、彼らからアドバイスをもらう形で自分たちのプランをブラッシュアップしていきます。第4週はチームごと最終発表を行い、3人の審査員がそれぞれの業種で最も優れたプランを1つずつ選出します。発表後は審査員と交流し、発表のフィードバックをいただいたり審査員の方々に質問したりする機会も設けます。

――外部の方々の協力を仰ぐということですが、具体的にどのような方々が参加してくださるのですか。
 大西さん:一橋大学か東京工業大学の学生または卒業生に、学生メンター、社会人カウンセラー、審査員として関わっていただきます。
 学生メンターは各グループに付いて知識面、精神面でのサポートを行います。メンターの中には、起業家、NGOで働いていらっしゃる方、ビジネスコンテストで優勝経験のある方など様々な学生がいらっしゃいます。
 社会人カウンセラーは金融系や経営者の方が中心です。ビジネスプランについての相談に乗るとともに、実務経験に基づく知識や効果的なプレゼンの方法などを学ぶ機会を提供してくださいます。
 審査員は3人で、いずれも起業し上場されている方々です。様々な業界の方が関わってくださるので、皆さんの興味のある業界の方からお話を聞くこともできると思います。

――それほど多くの方々の協力を仰ぐ中で苦労されたことはありますか。
 大西さん:学生の方には、先輩に紹介していただく形でコンタクトをとることができたのですが、社会人メンターや審査員の方々とは普段の生活の中で関わる機会がほとんどないので、連絡を取る方法を見つけるのが大変でした。両大学の教授たちに紹介をお願いして何とかお話をする機会を得ることができ、参加していただくことになりました。

――このコンテストならではのアピールポイントはありますか。
 大西さん:まずは学生メンターや社会人カウンセラーへの相談の機会が非常に多いことです。従来のビジネスコンテストでは、せっかくプランを考えてもアドバイスをくれる方が少ないために、どうしてもブラッシュアップしきれないといったことが多いと思います。このビジネスコンテストでは様々な方からプランの改善点についての指摘をもらえるので、机上の空論で終わらず、より現実的で練度の高いビジネスプランに仕上げることができます。
 また、普段はあまり出会うことのない東京工業大学の学生と交流できることも魅力です。私たちも企画にあたり、Attic Labの東工大生と関わっていますが、やはり一橋の学生とは違った印象を受けます。個性的で自分なりのこだわりを持っている方が多いように感じますね。今回は一橋生2名、東工大生2名でチームを組んでいただきますので、自分とは全く違う視点を持った学生と一緒に活動することで様々なものを得られると思います。

――最後に、参加を考えている方々にメッセージをお願いします。
 福島さん:募集期間中に何度か事前説明会をオンライン上で開催する予定です。興味のある方は「THIS」のホームページやツイッターをご確認ください。今回が初めての開催なので運営側としても不安があるのは確かですが、参加者の皆さんと一緒になって実り多いビジネスコンテストにしていければと考えています。興味をお持ちの方はぜひ説明会にいらしてください。お待ちしています。