復原された旧駅舎の外観(画像提供:国立市)

 4月6日、東京都国立市は、再築復原作業が完了した旧国立駅舎を開業した。旧駅舎は、「まちの魅力発信拠点」としての役割を担う市の公共施設となる。当日は、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策が講じられる中、多くの市民が詰めかけた。

 旧国立駅舎は1926年に請願駅として開業して以降、かねてから「赤い三角屋根」として市民に親しまれてきた。旧駅舎は一度中央線の高架化工事により2006年に解体されたが、国立市では、解体を惜しむ多くの声を受け、旧駅舎を将来復原できるように主要な部材が保管されてきた。その後、市民・関係者のみならず全国からの寄付を受け、18年から再築工事が行われていた。復原にあたっては、解体されたのちに市で保管されていた創建当初の部材が約7割、再利用されている。

 駅舎内には、創建当時のレールや写真、旧駅舎の模型などを飾った常設の展示室や、案内スタッフが常駐し物販も行われる「まち案内所」がある。また、駅舎内の広間や屋外スペースは、市民やさまざまな団体がイベントに用いることができる(※)。

 旧駅舎のチーフコーディネーターを務める菱沼秀行(ひしぬま・ひでゆき)さんは今回の復原の意義について「まちの魅力や歴史を知ってもらうきっかけになればと思う。また、イベントを通じて、今旬な国立の話題を発信する空間としても使っていきたいし、使ってもらいたい」と話した。大学と旧駅舎のつながりについては「国立大学町の象徴は一橋大学だ。近年、この2機関が協働する事例は多くないが、例えば一橋祭のサテライト開催などの形で、大学と市がこの施設を通じて、お互いに働きかけて、もう一度つながれるきっかけとなればいいのではないか」と語った。

 なお、旧駅舎は4月7日に国から発出された緊急事態宣言に応じて、6月30日まで休館となっている。

※……新型コロナウイルスの影響により、現在利用のための事前相談は行われていない。再開時期は決定次第web上などで告知される。


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