Cさんはもともと理系で医学部を目指していたが「科学の両面性に危機感をもつようになり、物質・理論的な面よりも倫理・規範な面で社会に貢献したいと思うようになった」ため、法学部を志した。英検1級を取得していたCさんは、英検のウェブサイトから英検を出願資格に用いている本学を発見し、受験を決めたという。

 小論文試験は中世ドイツの大学の大学自治や教育を題材としたA4で3~5枚程度の課題文を読み、要旨を400文字、自分の考えを800文字で論じるというもの。幸いにも、文系的な背景知識を要求するものではなかった。90分の制限時間は厳しかったが、高校教育を例に取ってアクティブラーニングなど自分の意見を発表する場を設けるべきという趣旨の自分なりに満足のいく答案が書けた。

 自己推薦書には自身の高校時代の生徒会長としてのリーダー経験のほか、静岡県代表として科学の甲子園の全国大会に出場したことなどを記載した。とにかく自分をアピールしようと、添付資料はホッチキスで留められないほどになったという。

 面接試験の面接官は男性二人、女性一人だった。小論文試験の答案について詳細に聞かれたり「理系でトップだったのになぜ研究者を目指さないのか?」などの質問をされたりしたという。

 

 ところでCさん、入試の日は深く考えずにジーンズ姿で来た。しかし会場の周囲の受験生は殆どが制服姿だった。何ら問題なく合格できたが、入学してから推薦合格者の知人に「ジーンズで来てた人だよね」と言われてしまったと、笑いながら話していた。