本学では2017年度から4学期制導入やカリキュラム改革が行われた。本紙は全学の教員のうち284人を対象にアンケート調査を実施。53人(全体の約18%)から回答を得た。集計結果は賛否両論に分かれており、改革初年度ということもあってか是非をはっきりさせない回答も多かった。
「現在までのところ、4学期制を導入してよかったと感じているか」という質問に対しては「良い」「どちらかといえば良い」が合わせて35.9%、「悪い」「どちらかといえば悪い」が合わせて30.2%。肯定的な回答が否定的なものをやや上回った。ただ「どちらとも言えない」という選択肢を選んだ回答も34%にのぼり、現時点では評価できないという声も多かった。
学生の集中力維持に苦労
総評では新制度を肯定的に受け入れる回答が多かった一方で、講義および準備のしやすさについては不満を抱いている回答も多かった。不満の理由としては「インターバルが短くなり準備時間を減らさざるを得なくなった」といった教員自身の不都合を述べる声のほかに「授業時間延長によって低下する学生の集中力の維持を考えないといけない」といった、学生に関するものも存在した。
「4学期制は、教員の研究活動や日常生活にどのような影響を及ぼしているか」という質問では「良い影響」とした回答と「悪い影響」とした回答が同数となった。具体的な理由については「多数の講義を並行して行う必要がなくなり負担が軽減した」などといった肯定的意見や「優劣を評価するには時期尚早。今感じられている不具合の一部は慣れていないことに起因するものかもしれないし、これから時間が経って初めて表面化してくるメリットやデメリットがあるかもしれない」と判断を保留する声が一定数存在した。
昼休み短縮・5限終了繰り下げ「働き方改革に逆行」
しかし、時間割や学年暦の変更については、ややネガティブな意見が目立った。とりわけ昼休みの短縮、5限終了時刻の繰り下げについては「不便である」「保育園に子どもを預けて大学へ来ている教員や院生が大変だろう」「世間での働き方改革に逆行している」など、厳しい意見も。5限のゼミナールを担当している教員からは、冬学期におけるゼミ終了後の大学周辺の暗さによる治安の不安を指摘する声もあった。
夏季授業休業期間の短縮についても「研究のための渡航が制限された」「大学院の秋入試スケジュールが過密になり、海外調査に行きづらくなった」など研究への悪影響を指摘する意見が多かった。
4学期制と同時に始まった新しい成績評価方法については「A̟+は優秀な学生の学習意欲を刺激する良い制度」「Dがなくなったのは論理的にまっとう」と、おおむね賛成の意見が多数派。だが、不受験(バー)制度に関しては「多くの受講者が履修取り消しを行わずに不受験となるので本当の受講者数が分かりづらくなった」「本来ならFであるべき学生に対して、何のペナルティもないようでは、GPAの実質化に反する」と、その意義を問う声もあがった。
〈調査方法〉
1月30日、学士課程ガイドブックにメールアドレスの記載がある教員284人にメールで送付。2月15日に回答を締め切った。
回答数は53。うち、商学研究科8、経済学研究科6、法学研究科12、社会学研究科14、言語社会研究科6、その他の学内機関7、当てはまらない・無回答1。