2017年度から4学期制が導入されたが、その目的の一つに学生の短期留学の促進がある。効果はどこまで発揮されたのだろうか。国際教育センター長の阿部仁准教授に話を聞いた。
4学期制の目玉の一つとして開始されたサマースクール等留学制度だが、初年度となる2017年度の応募は6人。このうち派遣先の大学が求める要件を満たし、実際に参加できたのは3人に終わった。これについて阿部准教授は「新年度開始直前の3月という発表時期の遅さを鑑みれば、決して悪くない結果。今後数年様子を見てから、是非を論ずるべき」と述べた。
2018年度は2月9日時点で13人が応募。阿部准教授は応募者の増加を前向きにとらえているという。ただ、1月から海外大に留学したり、留学生を受け入れたりする際には、現行の学年暦がネックになりかねないという。冬学期の期末試験は年を跨いで1月に行われるが、米国の協定校の過半数は年明けから本学の期末試験が終わるまでの期間中に新学期を開始してしまう。そのため、秋冬学期のみ来日する米国からの交換留学者数は伸びない。
一方で、夏季授業休業期間をこれ以上短縮すると大学院入試との兼ね合いで教員の研究に支障が出るため、学年暦は容易に変更し難い。「現状は様々な妥協の上に成り立っている」と阿部准教授は話す。
加えて、4学期制そのものは留学者数の増加に直接寄与するわけではない、と阿部准教授は語る。「(4学期制導入以前の)5年前から、本学全体としての留学者数は増加している。4学期制導入はあくまで、留学制度のさらなる充実のためのインフラ整備に過ぎない。重要なのは制度そのものを活用してくれる学生がどれだけ存在するかだ」