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【もしもしとなりの一橋生】8月からハーバード大に留学 飯田梓さん

 自身の興味の源泉は「哲学自体というよりも、国際紛争解決のための手段としての哲学」という言葉が印象的だった。

 国際紛争の解決に興味を持つようになったきっかけの一つとして、 高校時代にボストンへ留学した際に出会ったホストマザーの存在があったという。ホストマザーはイラン出身。イラン革命を機にアメリカへ渡ってきた。「革命の最中、家の周りをボートに囲まれ、電気を消して家の中で震えていた」「渡米後もトラウマのためアメリカになじめず苦労した」など様々な話を1年間の留学中聞いた。また、国際紛争解決と哲学が結びついたのはハンナ・アーレントの『全体主義の起源』を読んだときのことだ。ホロコースト等の人間の残虐さに驚くと同時に「哲学を手段として、国際紛争を解消するために使いたい」と考えるようになった。

 その意識は変わらず、ハーバード大学では主に国際紛争、哲学、交渉術を学ぶ。その中でも特に期待を寄せているのは交渉術だ。「日本にはない授業。今まで学んだ内容をアウトプットすることを通して、国際紛争の解決に役立てたい」と話す。

 留学で楽しみなことは寮の交換留学生同士の交流だ。「将来のビジョンがはっきりとある人」「そうでない人」の二つにハーバード大学の学生は分かれているという。ルームメイトは、まさにそのビジョンが固まっている学生の一人だ。NGOにすでに所属しており、ハーバード大学には環境分野を学びに来ているという。一方で自身は留学後に就職をするか、大学院に進むかなどの選択肢の間で迷っている最中だ。「さまざまな背景を持つ寮の友達と、夜に将来について語り合うことができたらうれしい」と話した。