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【グローバル化の行方】単位互換とチューニング

 今年度から4学期制に切り替わる。その目的の一つに、留学生の派遣と受入の拡大がある。これまで以上に留学を検討する学生も増えるだろう。留学を計画する際に、留学中の単位がどうなるかという懸念を抱く学生も少なくないはずだ。本学には、留学中に取得した単位を教務課に申請すれば、卒業要件に参入できる単位互換という制度がある。

 学生生活の設計に大きな影響を与える単位数だが、単位互換のシステムには学生にとって不便な点も多い。大学側が公表している情報は少なく、単位互換の具体的な方法は留学が決定するまで公開されない。また、申請から認定結果が得られるまで1~4か月かかるうえ、夏季休業期間などを挟むとさらにのびる。半年間の留学をし、単位互換性制度を利用した今井克哉さん(経4)さんは、「自分はなんとかなるかな、と楽観的だったので、そこまで気にならなかった。ただ、留学時期によっては卒業がかかっていたりもするので、使い辛いと感じることもあるかもしれない」と話す。申請の際は、成績証明書だけでなく、シラバス、講義内容を学生自身で要約したものなどに加え、授業内で使用した教材やレポートの提出が必要になるケースもある。

 単位互換をスムーズに行い、留学の障壁を軽減しうるのが「チューニング」と呼ばれる事業だ。複数の大学間で授業内容などについて、相互に把握や参照が可能なように調整・準備をすることを指す。日本では本学の森有礼高等教育国際流動化センターを中心に国内研究12大学によるワーキンググループが形成された。既に、大学で養成することが期待される知識、能力、技能を学生、教員、卒業生、企業に確認するコンピテンス調査を3度実施した。それを参考に、教員が到達目標を含む詳細なカリキュラムを作成するのがチューニングの行程だ。同センターの松塚ゆかり教授によれば、チューニングの重要な狙いは、大学間の流動性を促進しつつ、途切れることない学習環境を整備することだ。単位互換制度を利用するか否かに限らず、学生が、それぞれのニーズにあった大学や課程を選択できる、海外留学だけではなく国内外の転学・復学が容易になる、などの効果が期待できるという。また、カリキュラムの詳細を公表することで、大学教育の説明責任を遂行することにもつながる。

 松塚教授は、「学生が様々な環境で学ぶことは、個人にも社会にもメリットがある。日本ではまだ国内外の流動性が欧米と比べて低いのも事実。これから発展していくプロセスの中でチューニングは重要な役割を占めるだろう」と語った。

 チューニングは発展途上の留学体制や国際流動性を高める原動力となるか。今後の動向を注視したい。