2017年度以降の新学期制度において、学部のGPA卒業要件が廃止されることが明らかになった。8日昼休み、本学西本館31教室にて開かれた第2回新学期制説明会の中で、沼上幹副学長(教育・学生担当)が発表した。
新学期制が開始される2017年度以降に在学し、1単位でも取得した学生については、累積GPAの卒業要件が課されなくなる。
GPA卒業要件は、卒業生の質を保証することを目的として、2010年度以降入学の学生に対して課されてきた。規則では累積2.0以上と定められているが、現在は導入後の暫定措置として設定された1.8以上が卒業要件として用いられている。
現行の履修撤回制度はGPA卒業要件導入に合わせて、学生自身がGPA低下を回避するためのシステムとして設けられた。しかし新学期制の下での7週間という短い学期中には履修撤回期間が設けられないため、履修撤回制度は廃止される。沼上副学長はGPA卒業要件撤廃の理由の一つとして、履修撤回制度の廃止により学生が自分のGPA低下を避ける手段が失われてしまうため、GPA卒業要件を存続させたままでは学生にとって不利益になることを挙げた。
このほかに沼上副学長は、現行のD評価では単位が認められるにも関わらず、D評価だけ受けていても卒業ができない矛盾した状態を正すとともに、学生に難易度の高い授業へのチャレンジを促すことを、GPA卒業要件撤廃の狙いとして述べた。
卒業要件としては用いられなくなるものの、GPA制度そのものは継続され、優秀学生表彰や奨学金、留学補助金支給の基準などに利用される。また履修撤回制度に代わって、期末試験を受けなかった学生には「‐」(不受験)の成績を与えてGPA換算には含めないことで、学生自身がF評価を回避する手段を残す。期末試験以外で成績をつける科目への対応は検討中だという。
この他にも、新学期制導入に伴う制度変更が発表された。学期第1週に行われているオリエンテーションは廃止され、履修作成の参考になるようWebシラバスを充実化することを目指している。また、成績評価制度も一部変更される。段階数や評価基準の詳細は未定だが、「望ましい水準には不十分だが不合格ではない」として1のGPを与える現行のD評価を見直し、F評価より1つ上の評価(名称未定)は合格と認めて2のGPを与える予定だという。