世界総合3位に輝いた、チーム「TAMA」のメンバー

 5月27日から4日間にわたり、ボスニアヘルツェゴビナの都市バニャルカで開催されたラフティング世界大会の男子ジュニア部門にて、一橋大学・津田塾大学ラフティング部ストローム会の男子チームTAMAが総合3位の成績を残した。

世界総合3位に輝いた、チーム「TAMA」のメンバー

 レースラフティングとは、ゴムボートで激流を乗り越えるタイムを競う競技で、4人1チームで実施される。大会では、200~300mの短い距離を1分程で下るスプリント、2チーム同時にスタートして速さを競うH2H、設置されたゲートを通るタイムを競うスラローム、13~14㎞の長距離を50分ほどで下るダウンリバーの4種目を4日間の各日に実施し、合計点で順位が決まる。TAMAは3月に実施された国内選考を勝ち抜き、同大会男子ジュニア部門の出場権を得ていた。
 ヴルバス川を会場とした選手権会場には、世界各地のおよそ20の国と地域から選手が集い、多様な人々・言語が行き交う祭りのような様相を呈していた。期間中は日本人選手全体が同じ宿泊施設で過ごし、そこでの交流も盛んだったという。
 大会前のTAMAの目標は「世界大会で表彰台に上がること」だったとチームの赤羽寛さん(社4)は話す。
 大会初日、短距離種目スプリントで第3位と、TAMAは幸先のよいスタートを切る。しかし2日目のH2Hで、川中にあった人工物にゴムボートが接触し、競技中にボートが破裂してしまう稀に見るアクシデントに見舞われる。観客の応援もあり、なんとかコース自体は下りきることはできたものの、アクシデントで大幅に順位が下がってしまったことに対し、大きく動揺してしまったという。
 「終わったことを引きずってもしょうがない」との気持ちで臨んだ3日目のスラローム。川中のゲートを通過する同競技は、大きな波を横切ったり、波が渦巻く中で船をコントロールしたりする必要のある、高い技術力が求められる。同じ場所で開催された過去の競技動画を直前まで見直すなど入念な準備を重ねた結果、全体2位という高順位を残し、最終日へ弾みをつけた。
 最終日の長距離種目ダウンでは、レース序盤から上位陣に食い込み、漕ぎ続けること一時間弱。何とか上位陣を維持したまま、ゴールラインを切った。総合3位、チームの目標を成し遂げることができた。
 世界3位という成績を残した今大会を振り返って、上田貴義さん(商3)と幅巧さん(商3)は「結果を残せてよかった。現地や日本チームの人に感謝したい」、「世界大会を通して、国を背負う感覚を知った」とそれぞれ語った。また、世界との戦いの中で、パドルを扱う技術(パドリング)の流派や個性を目の当たりにするなど、新しい発見もあった。
 ラフティング部の今後の展望について、白濱篤志さん(経3)は「アルゼンチンで世界大会が開催される予定なので、部から出場チームを出せるようにしっかり練習したい。」と語った。