THE IKKYO SHIMBUN

本学、再来年に150周年 大学に展望を聞く

 1875年、明治初期に実業人を養成するために設立された私塾が、本学の前身となる商法講習所である。そこから150年目となる2025年、本学は創立150周年を迎える。節目と当たる年に向け、本学では様々な行事や新たな施策・プロジェクトが企画されている。本紙では、記念すべき節目となる年を迎えようとしている本学が、どのような意気込みを持ってその年を迎えようとしているのか、あるいは前出の行事等を開催しようとしているのか、その展望を本学担当者に尋ねた。
 
―今回の創立150周年記念企画に関しては、どういった目的の下、どのような活動が行われるのでしょうか。
 2025年、一橋大学は創立150周年という歴史的な節目を迎えるにあたり、これから何をしていくべきなのか、そして、いま何をすべきなのか大学の将来像を真剣に考えています。次の150年を見据えて卓越した研究力と優れた人材育成力を更に発展させることを目指し、”The Bridge to the Future”をテーマに、以下のような三つの柱を打ち立てています。一点目はCaptains of Industryたる人材の育成。具体的には、社会とつなぐ人材育成のために、一橋ベンチャー支援システム(仮称)の創設及びリカレント教育プログラムの推進を実施します。また、世界をつなぐ留学プログラムの充実の目的の下、留学支援の拡充も行います。二点目の柱は、総合知の創出と社会還元、すなわち、本学の研究力の集結と活用、研究成果の社会還元を目指します。そのために、150周年記念公開シンポジウム・公開講座等の実施や、NEXT150産学共創事業の展開を考えてします。また、本学附属図書館機能強化支援プロジェクトを実施し、本学の「知の集積」を推進させます。三つ目の柱には、多様性に富む卓越した学術コミュニティの形成を挙げています。そのためには学生支援施策の充実が必要であり、外国及び日本全国からの優秀な学生を集めるための入学支援を行いたいと考えています。併せて、ダイバーシティ施策の推進のために、Next150ダイバーシティ推進事業を展開していきます。
 これらの基本方針の下、具体的な取り組み内容については、検討を重ね、形にできるものから動かしていく予定です。すでに動き始めている取り組みとしては、例えば、「Next150ダイバーシティ推進事業」については、本学のDEI(ダイバーシティ、エクィティ及びインクルージョン)の推進に関する課題や改善点等について、学生の皆さんの思考力と行動力により、発見と解決を図るとともに、 意欲的に取り組む学生の皆さんの活躍を、HPやHQなどを媒体として学内外に発信することを目的として、学生活動応援企画の「多様性に関する学生活動応援プロジェクト(通称サスプロ)」が開始されています。なお、これらの施策を実現するため、最新のデジタルトランスフォーメーション(DX)により卓越した教育研究環境を構築し、様々なステークホルダーとの共創拠点として、魅力と活力にあふれるキャンパス環境の整備充実を図ります。
 また、2025年秋に卒業生を中心に、関連団体、一橋大学基金へご寄付いただいた方々等をお招きし記念式典を開催する予定です。具体的な式典内容等につきましては検討中です。

 ―今回の創立150周年記念に関して、学内外でどのような感想や期待が寄せられていますか。
 創立150周年へのメッセージが「一橋大学150周年記念サイト」に掲載されていますのでご覧ください。

 ―今回の一橋創立150周年記念について、主催者として、どのような展望がありますか。
 本学が「ひとつひとつ、社会を変える。」志をもった大学として、施策のすべてが”The Bridge to the Future”に結びついていくこと、そして未来志向で150周年を迎え、次の150年を見据えながら一橋大学がよりひらかれて、社会や学外の人たちとつながり、世界から多様な人々が集う場として育っていくことが期待されます。

「一橋大学150周年記念サイト」より

 最後に担当者から、「今後も150周年行事に関して追っていきたいと思い、今回の一橋創立150周年イベントの成功を心より祈ります」とのコメントが寄せられた。2025年に向けて、本学が実施を予定している行事やプロジェクトは、ますます具体化されていくことだろう。本紙としても引き続き、これらの本学の動きについて取り上げていきたい。