8月27日から9月3日までの1週間、「学生のための政策立案コンテスト」が実施された。本コンテストを開催したのは、本学の学生も多く所属する学生団体「GEIL」。GEILでコンテスト開催に関わった本学の学生に取材をし、同団体の実態と、今夏のコンテストを開催しての感想などを伺った。
学生団体GEILとは本学をはじめ、東大や早大、慶大といった関東の学生を中心に運営されている団体。同団体は、毎年夏に開催されている「学生のための政策立案コンテスト」を企画・開催することを活動の中心と位置づけている。その上で、コンテストの質の向上を目的に、教授や現役官僚を招待し、社会問題に関する勉強会やヒアリングを普段から実施している。
今夏、GEILが開催した政策立案コンテストでは、文系・理系を問わず約140名の学生が開催地東京に集結した。今年のコンテストのテーマ「科学」の下、GEILが設定したミッションは「科学を普及させるための政策」。関連官庁・機関の全面協力の下、官庁訪問や議員会館での現役官僚によるコンサルティングなどを受けながら、チームごとに分かれた学生たちは優れた政策を考え出すため、7泊8日にわたって激論を交わした。
GEILのメンバーで、コンテストの企画・開催者としてお話をしてくださったのは、企業らとの交渉を担った衣川朋位(経2)さんと、テーマやケースの設定責任者を担った吉崎萌流(経2)さんだ。衣川さんは、同コンテストを開催して大変だった点として、参加者に違和感・不信感を感じさせないよう、スケジュール通りの進行に努めることや、参加者から要求された情報をすぐに提供するなどの対応をしたことを挙げた。これらの参加者への対応と、自身の渉外の仕事との両立に苦労したそうだ。ケース設定を担った吉崎さんは、ミッションの文面を考える上で、未来志向型でプラス思考の政策が思い浮かべられるような文面を書き上げることに苦心したそうだ。一方で、同コンテストの開催に携わって社会人と関わる中で、社会人としてのマナーや気配り、対応の仕方などを学ぶことができたと話す衣川さん。関連官庁や企業の方と関わることのできる、GEILの活動ならではの学びだったと語る。また吉崎さんは、ケースやミッションの文面の作成を経て、他人の考えの多様性や価値観の違いに気づかされ、さらに議論を通じ、新しい発見や考えを得られたという。組織の中で働くとはなんたるかや、あるいは責任者としての責任の取り方などを学ぶこともできたと話してくれた。その上で、日本最大規模の政策立案コンテストの開催に携わり、参加者と共に、唯一無二の経験をすることができたという。
今年で25年目を迎えた、GEILの主催する「学生のための政策立案コンテスト」。来年の26回大会の実施に向けて、新たな準備を進めているという。日本最大の政策立案コンテストを企画する同団体と、その中で活躍する本学学生の活躍に、今後も大きな期待を寄せたい。