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礼拝室、運用始まる 多様性へ、新たな一歩

 9月8日より、本学で礼拝室の運用が開始された。所在地は西キャンパス第一講義棟1階。これに伴い、第2研究館1階にあった仮設の礼拝室は廃止となった。設置の経緯や目的に関して本学の学務部学生支援課に取材を行った。

礼拝室の様子、第一講義棟の1階に設置された

 今回設置された礼拝室は、本学の学生・教職員で、信仰上の理由により礼拝や黙想の時間を要する者を、利用の対象としている。室内には、礼拝用の絨毯敷きや足洗い場、靴箱が整備されており、方角の表示もある。また「使用中」を示すサインプレートの掲示や内側からの施錠が可能であり、同室使用中の防犯も対策されている。
 では、今回の礼拝室設置に至るまでにはどのような経緯があったのだろうか。本学における礼拝スペースの先駆けは、2018年に東1号館1階に設置された多目的室である。個人の信仰に基づき礼拝を行う場所として設置された。しかし、同室周辺の一帯が改修されることになり、礼拝スペースの移転が決まった。移転に伴い、礼拝スペースのより利便性の高い運用を目的として、新たに名称や設備などを見直した。その間に第2研究館1階に礼拝室を仮設しつつ、今回作られたのが第一講義棟の「礼拝室」となる。
 従前のものから「礼拝室」への変更点として、学生支援課は、従来の事前予約制の運用を廃止し、自由に利用できる運用方法に変更したこと、利用面積を拡大したことと、より使いやすい足洗い場を新設したことなどを挙げ、室内は基本的な設備のみに留め「利用者自身が工夫をして、より利便性の高い利用ができるよう」にしたと述べる。すなわち、特定の宗教に限らない様々な信仰を持つ学生・教職員が自由に活用することが目指されたということだ。 この変化の背景には、他大学への視察があったという。
 なお、今後宗教的ニーズに対してさらにどのような対応を取っていくかは、現時点では未定だという。