ウクライナ情勢や円安の影響で、資源価格が高騰していることを受け、本学はさまざまな対策を講じている。その中には、結果として学生の学習環境を制限するものもある。そこで、学生の声と対策に至る背景を知るため、2人の学部生と本学広報室を取材した。
本学の収入の6割を占める国からの運営費交付金が減少を続ける中で、水道料金や電気ガス料金は年々増加している。令和4年度には水道光熱費が2億8千万円に上り、前年比140%を記録した。そのため、本学で最も電力を消費する付属図書館の省エネ化が図られている。具体的には、大閲覧室の開室日数を大幅に減らすことや、春季(4月~6月)、秋季(10月~11月)に冷暖房を停止することがあげられる。これらの対策により、エネルギー消費を削減し、教育活動費の捻出が期待されている。
このような動きに対して、学生側からは賛否の声が上がっている。Aさん(商2)は「大閲覧室のように学生が自学できる貴重な環境に制限をかけるよりも、ほかにできることがあるのではないか」として、学生に最も身近な施設から制限されることに疑問を呈する。Bさん(経4)は「図書館には席数が多いので、大閲覧室の開室制限は妥当」と理解を示す一方で、「春季や秋季でも気温次第では冷暖房を使用する判断をしてほしい」と語った。
今後も価格上昇を続けた場合、大学も追加で手を打つ可能性が考えられる。省エネと、学生の学習環境の両方に配慮した対策が必要だ。