OIST・一橋共同インターン発足 学びを実践で生かす

 昨年9月16日、本学と沖縄科学技術大学院大学(OIST)が共同プレスリリースにて、「OIST-一橋インターンシップ・プログラム」の立ち上げを発表した。当プロジェクトは、OISTにおける科学技術研究と本学の経営・ビジネス研究の連携を通して、科学技術実用化の加速を目指すもの。本学大学院経営管理研究科国際企業戦略専攻(ICS)で経営学を学ぶ学生のうち有志が参加し、 市場調査やマーケティング戦略といったビジネスの面から科学技術の事業化に取り組む。第1期生となる令和4年度のインターン生には、5名が選出された。参加学生たちは、インターン生として沖縄に滞在し、OISTのディープテック関連プロジェクトやスタートアップ企業に参加した。また、インターンシップ後となる12月には、フィードバックセッションも開催された。本紙では、笠井直子先生(ICS特任助教)と参加学生2名に取材し、当プログラムの内容やその魅力に迫った。

 まず、笠井特任助教に参加先のプロジェクトについてお話を伺った。発足初年となる昨年度は、インターンシップ先として10のプロジェクトが協力してくれた。それらのほとんどがスタートアップ企業による事業と、OIST発の研究を基にしたプロジェクトだという。インターン先の事業例の一つとしては、産業廃水処理分野の研究を活かしたスタートアップ「Watasumi(ワタスミ)」などがある。インターン生は、参加先の事業と提携し、市場調査やマーケティング戦略の議論、プレゼンテーション等を行った。

 当プログラムならではの魅力はどこにあるのか。 笠井特任助教は「MBAの学生が、学びを実践に移すことのできる機会はなかなか少ない。OIST-一橋インターンシップは、まさに今から事業化を目指すプロジェクトに参画し、実践の場で何が必要とされているかを知るとともに、MBAで学んだことを実際に活用できる貴重な場だ」とし、当プロジェクトの意義を強調した。

 今回のインターンシップに参加したマック・サラさんは 、当インターンシップについて、さまざまな志を持つ人々と交流し、学びあうことのできる、研究や技術開発の環境を魅力に感じたと振り返る。また、インターンシップについて「非常に満足している。最先端技術に携わる人々の会合に参加し、様々な事業についての話を聞けたことは大変刺激的だった。ディープテック起業トレーニングでは、互いの事業アイデアや戦略について議論し、幅広い研究分野への見識を得られたことが嬉しかった」とコメントしてくれた 。

 チョウ・カさんも、第1期インターン生の一人だ。チョウさんは、自身が参加したインターンシップについて、マーケティング、コーポレートファイナンス、市場戦略といった本学のICSプログラムで学んだ内容を実際に活用する場となったと語る。そして「インターンシップを通して学び、身につけたスキルや、チームワーク精神の向上という点では、期待以上に得たものがあった。さらに、今回の経験は、今後の自分の専門分野や学問を考える際の貴重な指針となるものだと感じる。このような共同インターンシップに参加する機会をいただけたことに感謝している」と述べた。