2021年12月17日、体育会應援部(以下応援部)21年度最後のステージ「マーキュリーの下に『響け、我が無二の想い』」が八王子市芸術文化会館にて執り行われた。約2年ぶりとなる、観客を入れてのステージだった。
ステージでは、合計3つの形式で行われるパフォーマンスを披露。学ランを身にまとう「リーダー」による力強い演技と、「チアリーダー」の笑顔あふれるステージ。そして全部員が一丸となるパフォーマンスでホールを盛り上げた。また、全部員が楽器の演奏役を兼任し、何時間にも及ぶ演目を見事やり遂げた。クライマックスでは、リーダーの指揮の下、部員の歌声と共に校旗があがり、観客席からは大きな拍手が湧き起こった。
「一橋祭がオンライン開催になって、全国にいる視聴者に応援部のステージを見てもらうことができましたが、お世話になった関係者の方々に直接パフォーマンスを届けたいという強い思いから、今回のステージを計画しました。決まった時期が遅かったので、色々な困難にぶつかりました」。そう語ったのは、21年度応援部の主将を務めた植田悠真さん(経4)。計画から実行までの期間が短いため、場所取り、観客集め、練習プランの作成、感染症対策の考案など、短期間で多くの決断が求められた。それでも困難を乗り越え、今回のステージを成功させた鍵は、応援部の活動方針の「響想」にあるという。
21年度の応援部の活動テーマは「想いを馳せて響かせる―響想―」。人に想いを届けるという考えから作られたものだ。しかし、新型コロナウィルスの影響の下、1年半もの間、応援を行えず、練習を重ねても、自分達の応援は必要とされるか戸惑いを覚えた。この空白の期間、部員で改めて部のアイデンティティを考え直したという。秋学期から対面で応援を行えるようになり、応援部員として人にエネルギーを送ることができた。気持ちを届ける相手がいるからこそ、応援が意味を持つと考え、やはり、背中を押してくれる多くの方がいるおかげで部活動が成立すると感じたそうだ。
2・3年チアリーダーの練習を担当した梶谷綾郁さん(社3)は「元気のよさと一橋大学応援部らしさを通して、観客に感謝を還元したいという、応援部第66代体制の思いが詰まった今回のステージでした」と語った。主将の植田さんは「ステージが終わってお客さんが喜んでくれた表情を見てやりがいを感じました。ステージを通じて、感謝の気持ちを届けられてよかったです」と微笑みながら述べた。