【20年度就職】就職率96.8% コロナ禍の影響は

 本学キャリア支援室がまとめた、2020年度本学学部卒業生の進路状況が明らかになった。就職者数を就職希望者数で割った就職率は96・9%だった。卒業生1013人のうち、就職は861人、大学院等進学は90人だった。

 業種別の就職者数に対する割合は、上位三つが昨年と同じ顔触れとなった。
1位「金融」23・2%(昨年比1・3㌽増加)
2位「サービス業・その他」17・0%(同3・4㌽減少)
3位「情報通信」14・3%(同2・3㌽増加)

データ提供:キャリア支援室

 20年度卒業生は、新型コロナウイルス感染症の影響を全面的に受けた初めての世代となった。早々に内定を得る学生もいたが、4月7日に1回目の緊急事態宣言が発令されると企業の採用・選考活動が一時的にストップした。例年春に行われる公務員試験の時期も大幅に遅れ、夏にずれ込んだ。採用活動の再開後も、前例の少ないオンライン選考が多くの企業で実施され、情報が限られた中での就職活動となった。


 キャリア支援室によると、もともと本学の学生の志望業界・企業として数は多くはないが、感染拡大の影響を強く受けた航空会社や旅行会社では採用中止が相次ぎ、志望していた学生は進路の変更を迫られた。一方、例年人気の金融業界では、銀行に就職する学生はやや減少したものの、保険や証券会社に進む学生は増え、人気は健在だ。
 また、学生の中には、コロナ禍におけるテレワークの実施状況や業績の変化など、企業側の「有事の対応力」を、志望企業選択の材料にする人もいたようだ。
 企業説明会やインターンシップもオンラインで行われることが多くなったため、対面での交流で得られる実感や納得感を持って志望先・就職先を決めることが難しかった学生も見受けられたという。しかし、本学卒業生の就職率は依然95%を超える高い水準を保っており、大きな変化はなかった。


 2021年度以降の就職活動についてキャリア支援室は、オンライン化の定着や、インターンシップ実施による就職活動の早期化・長期化といった傾向が見られると予測する。
 オンライン選考の普及にともなって、最初に動画選考を実施する企業もでてきている。説明会から選考まですべてオンラインで行う企業や、最終または一部の面接を対面とする企業など、形式は様々だが、就職活動のオンライン化は定着・拡大しそうだという。
 また、経団連と大学側が採用・就職活動のあり方などを話し合う産学協議会が、21年4月の報告書で「インターンシップは企業が採用選考を視野に入れた評価材料を得る目的で実施できる」と明確に打ち出した。これにより、学生のインターンシップへの興味や関心が高まり、就職活動開始の早期化の傾向が見受けられる。