コロナ禍のクラブ・サークル活動 二極化の底に共通課題

 新型コロナウイルス感染症が拡大する中、大学生活の重要な要素の一つ、クラブ・サークル活動はどうなっているのか、体育会系の2団体の代表に話を聞いた。活動を再開している端艇部と、停止したままのSwingsだ。置かれた状況は異なるものの、新入生との交流が困難だという共通の問題も見えてきた。(11月16日、18日取材)

 端艇部は、8月中旬に大学側から再開許可が下り、従来の活動状況に戻りつつある。代表幹事の尾邊琢真さん(経3)によると、再開にあたり、大学側から感染対策を要請されたという。特に端艇部は合宿所で共同生活を行っているため、練習中だけでなく合宿所の食堂や厨房においても、対策を徹底するよう念を押されている。内容は、アルコール消毒や手洗いうがい、対人距離の確保といった一般的なものだ。再開した一方、感染拡大前に完全に戻ったとはいえないようだ。例えば、屋内で行っていたトレーニングを屋外で行うようになり、雨の日には実施できなくなった。

 他方、活動再開の見通しが全く立たない団体もある。バドミントンサークルのSwingsはその一つだ。再開できない理由には、本学の方針と、顧問教員の有無が関わっている。本学が6月に定めた活動指針では、現在は「レベル2」(制限(小))となっている。「レベル2」では、原則課外活動は不許可だが、「課外活動再開の活動条件」によると、感染防止のガイドラインを策定するなどの条件を満たせば例外的に再開できる。しかし、顧問教員がいることも条件の一つとなっているため、多くのサークルは、活動を再開できない。Swingsもレベルが下がるまで動けない状況だと、代表の中西政太さん(社2)は嘆いた。

 一方で、共通の問題も見えてきた。部員・会員同士、特に現メンバーと新入生との交流が困難になっていることだ。活動を再開した端艇部でも、大声での会話や密を避けるため集まれず、部員同士の交流が制限されているという。例年であれば、新入生歓迎会などのイベントを開けるが、今年はそうしたイベントは全て実施できない。尾邊さんも、「まだ部員全員とはコミュニケーションが取れていない」と語った。Swingsでは対策として、仮入会した一年生同士の交流の場を設けるため、8月下旬以降、オンライン交流会を企画。現会員である二年生も混ざり、一時間ほど雑談などをして楽しんだ。企画段階では一年生の様子が分からず手探りだったものの、20人弱と、ある程度が参加してくれたと中西さんは考え、2回目、3回目を開催したという。