新型コロナウィルス流行による緊急事態宣言により、大学の春の風物詩である新歓活動にも異変が起きている。各団体とも、前例のない事態への対応に当惑することが少なくない。規模の大小、活動内容などの点で異なる3つの団体に、今年度の新歓について聞いた。


 多くの新入生が関心を寄せる大規模体育会も、外出制限下での新歓には頭を悩ませている。とりわけ、ラクロスは競技人口の多くを大学生が占めており、新歓の結果次第では競技の存続そのものを脅かしかねない。

画像提供:体育会男子ラクロス部
 
 「新入生が部員の素顔をより見られるよう意識しています」男子ラクロス部の新歓担当である花田直也さん(社3)は今年、新たにインスタグラムの新歓アカウントを立ち上げた。昨年度のイベントの写真や部員同士の対談の様子を掲載している。部の雰囲気や、ラクロスの魅力をPRしているという。「様々なスポーツの要素を持つエキサイティングな競技であることを伝えています」
 
 しかし、メッセージ機能などで直接コンタクトをとっている新入生の数は例年の1割を割っている。今年は新歓期間を設けず、体験練習ができない分、興味のある新入生にはクロスの貸し出すことも検討している。花田さんは、緊急事態宣言下でも部員の確保に全力を尽くす姿勢を見せた。
 
 大規模サークルも新歓に苦戦中だ。テニスサークル・一橋硬庭の新入生は5月中旬時点で例年の2割程度にとどまる。新歓担当の神山凌平さん(商2)は新入生の春夏学期の負担を減らせるよう、大学生活の情報も伝えるなどして工夫している。「今後の新歓については、新入生の意見も聞いています。可能であれば、秋学期以降の新歓も考えています」
 
 
 これと同様の事態は文化系サークルにも起こっている。一橋落語研究会の岡部和博さん(社3)は「サークル紹介で隣のブースに来た新入生に声をかけて、ちょっと立ち寄ってもらう、みたいなことができない」と嘆く。そのためか新入生が例年より減っているという。今年は新歓目的でブログを開設し、堅苦しい、古臭いといった既存のイメージにとらわれない学生落語、および寄席の動画などを中心に発信している。 
画像提供;一橋落語研究会