中和寮主催シンポジウム開催

 7月13日、本学東キャンパスにおいて、自治と学生寮について考えることを目的とした、中和寮主催の上映会・シンポジウム「みんなのだいきらいな自治寮について」が開催された。

 このシンポジウムが開かれた背景には、2019年度以降の入学者から一橋寮(小平国際学生宿舎)と国立キャンパスの国際交流会館留学生宿舎の寄宿料が4倍以上に値上げされたことにある。同じく本学の学生寮である中和寮の自治会は、学寮の民主的な運営の伝統を無視して、当事者である寮側と話し合いの場を設けず一方的に通知したこと、値上げ分を充てるとした経済的困窮者への対応の具体的な内容を打ち出さないことを理由に、反対運動を行っている。

シンポジウムの様子

 会場では、東大駒場寮、山形大学生寮、京大吉田寮などの元寮生や現寮生が、大学との対立について語った。その中で、駒場寮での取り壊しに反対する学生と警備員との対立やその後のキャンパス内のテント村、山形大学生寮での強制執行の様子など、当時の状況を鮮明に記録したドキュメンタリー映画『泥ウソとテント村――東大・山形大 廃寮反対闘争記』が放映された。

 中和寮生による報告とその後の質疑応答では、寮の赤字を必要経費としてとらえている大学があることを受け、寮費値上げによって寮への補助金を減らそうする本学への批判が述べられた。

 元山形大寮生は「寮に入って、管理人がいなくて学生だけで自治が行われることにビックリした。文科省から派遣された事務員によって、寮の自治が壊されていった」と語った。

 また、吉田寮に住んでいるというある学生は「大学執行部が暴走している。近年の改革による、大学全般の構造のトップダウン化が、自治寮の問題につながっているのではないか」と話した。


※中和寮…本学東キャンパス付近にある大学院生専用の自治寮。