9月11日、法務省が今年度司法試験の合格状況を発表した。本学法科大学院の修了者からは121人が受験し、72人が合格。合格率は59.5%で、昨年の49.6%から約10㌽増加し、全法科大学院中2位だった。

 合格者の内訳は、法学既修者コースが59人(合格率76.6%)、未修者コースが13人(同29.6%)。既修者コースは2年間の課程で、主に法学部出身者向け、未修者コースは法学部以外の学部出身者や社会人向けの3年間の課程だ。既修者コース出身者のうち、初回受験者の合格率は80%を超えており、とりわけ学士課程から本学法学部に所属していた受験者は全員が合格した。
 司法試験全体では5238人が受験し、合格率は29.1%。そのうち予備試験合格者の合格率は77.6%だった。

 

 

 

 法科大学院長の小粥太郎教授は、今年度の結果について「大学院として、合格率が少しでも上がることは喜ばしい」とした一方で「本学修了者は全員が法曹になる力を持っている。司法試験制度全体としてみても、法科大学院出身者の合格率を上げてゆく必要がある」と話した。

 法科大学院制度は法曹需要の増加への対応と、司法試験のみによらない多角的な法曹育成を目的として導入された。当初は修了者の7~8割の合格がうたわれていたが、法科大学院の乱立による受験者の増加、また合格者の質の低下に対する懸念から合格者数が抑えられたことなどもあり、実際の合格率は3割未満に落ち込んだ。募集停止に追い込まれた法科大学院も多い。
 一方、予備試験は新制度導入の際、経済的な理由などで法科大学院に進めない人向けに設けられたが、合格すれば法科大学院を経なくてもよいため、法曹への近道として人気を集めている。