※本記事の一部に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。(2018年10月15日)


 2019年4月1日、「一橋大学における授業料等に関する規則」が改正され、一橋寮(小平国際学生宿舎)と国立キャンパスの国際交流会館留学生宿舎の寄宿料が値上げされる。新寄宿料は来年度入学者から適用される。これに際し、一橋寮でレジテントアシスタント(RA)を担う学生向けの説明会が2度開かれ、沼上幹副学長(教育・学生担当)が値上げに関する経緯などを説明した。

値上げ対象寮の新旧寄宿料

 7月7日の第2回説明会では値上げの理由として、今年度に入り宿舎の原価計算が完了し、赤字が判明したことが挙げられた。これを受け、赤字解消に向けて値上げに踏み切ったという。

 値上げにより、一橋寮単身用居室の寄宿料は2万4000円、国際交流会館留学生宿舎単身用居室の寄宿料は2万8000円になる。一橋寮では、赤字解消のために必要な額まで値上げが行われる。ただし、国際交流会館留学生宿舎に関しては、赤字を解消するほどの値上げをしてしまうと、同等な物件の市場の相場を超えてしまうため、市場の相場までに寄宿料を留めた。

 経済的に困窮している学生に対しては経済的支援が行われる。選考方法は従来の授業料免除などに使用されてきた方法を採用するという。しかし、その具体的な内容や基準はいまだに公開されていない。沼上副学長は「改正後の寄宿料は来年度入学者から適用されるため、来年度入居者の募集要項を発表するまでには決定する予定だ」と話した。

 寄宿料の値上げに伴い、本学は寮の生活環境の改善と教育・研究費の充実に努めると説明。一例として全室に無料インターネットの設置やエアコンの取り替えなどが挙げられた。沼上副学長は「寄宿料の値上げに伴って寮をより魅力あるものにしていきたい」と話した。教育・研究費の充実については、これまで赤字を補っていた予算で、例えば年間6人の正規教員を雇うことができるという。「今までは寮の運営費を埋め合わせるために全学生向けの教育サービスを広く薄く劣化させていた。全学生に影響が出るのは由々しき事態だ」と語った。

 

 宿料の値上げが初めて寮生に通達されたのは5月30日、全一橋寮生宛ての1通の一斉送信メールによってだった。メールには寄宿料の値上げを検討している旨、その理由、そして値上げに理解を求めることのみが記載され、寮生向けに説明会の実施や問い合わせ先は記載されていなかった。

 その後、RA向けの説明会が2度開催された。1度目の説明会はRA以外の寮生には通達されなかった。さらにテスト期間と同時期だったため、参加率が非常に低かったという。そのため、2度目の説明会は両寮の全寮生に参加希望日時の調査のメールが送られ、返信した人であれば誰でも参加することができた。しかし、第2回説明会中も沼上副学長は「RA向けの説明会だと把握している」と明言。全寮生向けの説明会が開催されることはなかった。

 その理由として、沼上副学長は「対象となるのは来年度の入学者からで、現在の居住者に影響はないと考えている」と述べた。また、RAにさえ正式な情報が流れていれば、RAがほかの寮生の疑問を解決できるため、とも話した。

 寄宿料の値上げに伴い、本学は寮の生活環境の改善や経費節減を目指す。しかし、何が必要な経費かの判断は寮生にできることではないとし、寮生を含め、学生の意見を聞く予定はないという。